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2006年02月20日(月) 13時46分

オウム事件、松本被告に訴訟能力…医師が鑑定書提出読売新聞

 オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(50)(1審・死刑)の控訴審で、東京高裁(須田賢(まさる)裁判長)から訴訟能力の有無について精神鑑定の依頼を受けていた精神科医の西山詮(あきら)医師が20日午前、同高裁に「訴訟能力はある」との鑑定意見書を提出した。

 弁護団は控訴趣意書を提出しておらず、同高裁が控訴棄却を決定し、控訴審での公判審理を行わないまま、1審・東京地裁の死刑判決が確定する可能性が出てきた。

 松本被告の訴訟能力を巡っては、「訴訟能力はある」とする同高裁と、「ない」とする弁護側が真っ向から対立。同高裁は、訴訟手続きを進める前提となる、松本被告の訴訟能力を見極めるため精神鑑定を実施した。

 松本被告の弁護人によると、松本被告は面会の際、質問に反応せず、意思表示もしていない。しかし、東京拘置所の記録などによると、拘置所の日常生活に大きな支障は生じていないという。

 鑑定内容の詳細は明らかになっていないが、松本被告の行動に異常があるのは軽度の拘禁反応(長期の拘置による精神の異常)か詐病で、訴訟能力までは失われていないと判断したとみられる。

 弁護団は控訴趣意書の提出期限だった昨年8月31日、須田裁判長に面会し、趣意書を提示したものの、複数の医師による鑑定実施などの要望が受け入れられなかったため、趣意書を提出しなかった。その後の同高裁の求めにも、「訴訟能力がないと確信しており、鑑定結果が出るまでは出さない」と提出を拒否している。

 刑事訴訟法は、期限までに控訴趣意書が提出されなかった場合、控訴を棄却しなければならないと定め、「やむを得ない事情」がなければ、期限後の提出は認められない。このため、今後も弁護団が趣意書を提出しなければ、同高裁は控訴を棄却するしかなく、仮に提出しても、これまでの経緯を訴訟遅延行為とみなして控訴棄却を決定する可能性がある。

 その際、同高裁への異議申し立て、さらに最高裁に特別抗告をすることができるが、決定が覆らなければ、死刑判決が確定する。

 同高裁などによると、西山医師は昨年9月から鑑定作業に入り、松本被告に数度面会。同被告の裁判記録や、拘置所での生活記録などを検討してきた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4900/news/20060220it03.htm