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2006年02月18日(土) 14時54分

あしなが育英会の協力校半減、個人情報保護に過剰反応読売新聞

 個人情報保護法が昨年4月に全面施行された後、病気や災害などで親を亡くした子どもたちを支援する「あしなが育英会」(本部・東京)の奨学生募集に協力する中学校が、前年度の半数に落ち込んだことが、同育英会のまとめで分かった。

 育英会では、学校側が保護法を意識して遺児の存在を伝えようとしないとみており、「子どもが奨学金制度の存在を知らされずに進学のチャンスを逃すことがあっては」と、対応策に頭を痛めている。

 育英会では毎年、高校生・高等専門学校生を対象とする奨学金の募集案内を送るため、全国約1万1000の公・私立中学校に、3年生の遺児がいる家庭などの連絡先提供を依頼している。

 例年、1000校前後から該当する遺児がいるとの回答があるが、昨年度は909校に減り、今年度は464校まで落ち込んだ。案内を送る対象者が減ったため応募者の出足も鈍く、ようやく1000人を超えたが、約1300人の募集枠には届いていない。

 協力校が半減した理由は明確ではないが、「プライバシーなので答えられない」と以前はなかった回答もあることなどから、育英会では「保護法の全面施行による影響が大きいのでは」とみている。

 東京都中学校長会の会長も務める草野一紀・三鷹市立第一中学校長は、「学校によって考え方は違うだろうが、案内書を学校に送ってもらって生徒に渡したり、学校から募集があることを知らせて家庭から育英会に連絡したりする方法も考えられる。学校が個人情報を提供するのは好ましくないと思う」と話す。しかし、学校便りなどで事前に保護者らに通知してあれば、情報提供にも問題はない。

 育英会では来年度以降、学校にチラシを配布してもらうことも検討しているが、「お金や家族にかかわる微妙な問題でもあり、本人に伝えても、家族に気を使って伝えなかったりすることもある」といい、自宅に直接案内を送り、家族に読んでもらうほうが制度の利用につながりやすいという。協力校が減ると制度存続にかかわるだけに、同会では「学校には柔軟な対応をお願いしたい」と訴えている。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6000/news/20060218i104.htm