悪のニュース記事

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2006年02月14日(火) 00時00分

本妻がいる“夫”と10年以上読売新聞

 30代女性。子どもにも恵まれ、仕事も充実しています。周りからは問題なさそうに見える家庭です。

 しかし会社を経営している“夫”には、実は本妻がいます。離婚を持ちかけてもできずに、10年以上たちました。今後も離婚できるかどうかわかりません。

 本妻宅には、彼の母親と子どもがいて、難しいのはわかっていますが、結婚できると信じていました。

 私が妊娠すると「出産までに別れる」と言いましたが、約束は果たしませんでした。私の母は彼をなじり、関係はぎくしゃくしたままです。

 さらに最近わかったことですが、彼にはもう一人別の女性がいました。彼の会社の社員です。別れると約束しましたが、彼女が退社する様子がないので問いつめると「もう以前のような関係はない。くびにはできない」と逆切れされました。

 私の女としての人生はこれで良かったのか。今後どう生きていくべきでしょうか。(大阪・R子)

 あなたの複雑な人間関係を前にして、どう回答したらよいか、頭をかかえてしまいました。

 彼には妻子がいるのですから、いくら「周りからみれば問題なさそうな家庭」でも、それは「重婚的内縁関係」で、婚姻に準ずる「内縁の夫婦」とは認められません。「重婚的内縁」は社会的に許されないものなので、原則として法的に保護されないのです。

 それに、あなたは、彼の妻から不貞行為に基づく慰謝料の請求をされても仕方ない立場でもあります。また、妻と離婚せず、他の女性ともけじめをつけない彼の態度も無責任ですが、妻子があることを承知していたあなたにも、一半の責任があるでしょう。

 彼との生活を続けたいなら、自分の立場を自覚した上で、現状のままで良しとするしか仕方ないのではありませんか。彼が信頼できなくなったのであれば、若い今のうちに別れて、自立する道を考える選択もあります。この際、これからどう生きたいのか、素直に自分の心に問い直してみたらいかがでしょう。

 (土肥 幸代・弁護士)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/danjo/20060214sy31.htm