2006年02月08日(水) 03時05分

「違法収益で会社」逮捕へ、社長ら組織犯罪法を初適用（読売新聞）

　健康食品を医薬品と偽って販売したとして逮捕された健康食品販売会社「ハートライフ」（札幌市）の社長らが、違法な販売で得た利益で新会社を設立した疑いが強まり、静岡県警は、社長ら５人について組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕状を取った。

　８日にも逮捕する。新会社の設立は違法販売を続けるためとみられ、県警は、組織的に得た不法収益で会社の経営権を握ることを禁じた同法の規定を全国の警察で初めて適用する。

　逮捕状を取ったのは、同社社長佐藤修一（４０）、専務長谷川正勝（４３）両被告（いずれも薬事法違反の罪で公判中）、宇都宮市の雑貨卸会社役員（３４）ら。

　調べによると、佐藤被告らは２００５年１０月、薬事法に違反して売った健康食品の売上金など約１０００万円を資本金に、取引があった雑貨卸会社役員に新会社「クレアジャパン」（札幌市）を設立させ、経営を支配するためハートライフ幹部（４０）ら２人を取締役に選任させた疑い。会社役員や幹部らは事情を知りながら、クレアジャパンの社長や役員に就任した疑い。

　県警は、薬事法違反で摘発した静岡県伊東市のハートライフ伊東店の売上金約６００万円などが、新会社の資本金に充てられたとみている。佐藤被告らはハートライフが０５年９月に捜索を受けると、同社を事実上閉鎖し、クレアジャパンを翌月に設立した。社員もハートライフからそっくり移っているという。

　ハートライフは、イチョウ葉エキスなどを「脳梗塞（こうそく）が改善される」などと効能をうたって１道２府１５県で約１万８６００人に販売、売り上げは約７６億円に上るという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060208-00000101-yom-soci