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2006年01月07日(土) 00時00分

落ちない人気 合格グッズ読売新聞

受験生 キット ウカール ハイレルモン!

 本格的な受験シーズンに入り、滑り止めの砂やカモシカのお札など、縁起担ぎの「合格グッズ」が引っ張りだこだ。コンビニエンスストアでも、語呂合わせで受験生を応援するお菓子などが花盛り。いまや親や教師も巻き込む大マーケットに成長した合格グッズ産業。さて御利益のほどは——。

 群馬県松井田町の「碓氷峠鉄道文化むら」。かつて急勾配(こうばい)の峠を上った電気機関車用の滑り止め砂を袋に詰め、「御守砂」として2002年から来園者に無料配布し始めたところ、評判が口コミで広がった。今シーズンも5000袋を用意したが、早くも約1300袋がさばける人気ぶり。担当者は「小豆島の砂を乾燥させた粗い粒の砂で、滑り止めの効果は抜群です」と胸を張る。

 埼玉県宮代町の東武動物公園で「幸運を呼ぶ」と評判のホワイトタイガー。04年冬から抜け毛をお守りとして貸し出し始めた。希少動植物保護を定めた種の保存法に抵触する恐れがあるため、今シーズンはいったん入れた毛を取り出した「毛なし」のお守りに切り替えたが、用意した500個が3日間でなくなった。

 絶壁に立たされても決して落ちないカモシカも、いかにも御利益がありそうだ。三重県菰野町の日本カモシカセンターは足跡付きのお札と絵馬のセットを販売、年間1500〜2000件の申し込みがある。「『中高大と3回お世話になった』とお礼の手紙もいただきました」と、センター職員は「がけっぷちの底力」をアピールする。


ずらりと並んだ「合格グッズ」(セブン—イレブン麹町駅前店で)

 すっかり合格グッズとして定着したお菓子「キットカット」。九州の方言「きっと勝つとぉ」の語呂合わせでブレークした人気は健在で、販売元のネスレコンフェクショナリーでは今年も期間限定商品販売などのキャンペーンを展開する。

 いまやスポーツの必勝グッズとしても人気で、Jリーグ・ジュビロ磐田のサポーターは昨年からキットカットのロゴ入りの旗を振って応援している。「試合前に必ず食べて験担ぎしている友人もいます」と、サポーター「ウルトライワタ」代表の中沢武志さん(27)は話す。

 語呂合わせ商品はまだまだある。既にスナック菓子「カール」の季節限定版「ウカール」を販売している明治製菓は今シーズン、錠菓「ハイレモン」を「ハイレルモン」と名称変更して応援商品に加えた。

 このほか、▽「キャラメルコーン」のシリーズ商品「カナエルコーン」(東ハト)▽「カルピスパーラー伊予柑(かん)」(=いいよかん、カルピス)——などが登場。ちょっと苦しめの語呂合わせも見受けられる。

 変わったところでは、永谷園が受験生向けに、おみくじ付きの「お茶づけ海苔」増量パックを発売。かまぼこに「合」の字をデザインしているのがミソだ。

 流通業界も、このマーケットをみすみす見逃しはしない。

 セブン—イレブン・ジャパンでは、「2006年の受験生は全国で約237万人、家族や教師などを合わせると約1868万人とも言われています」と市場規模の大きさを指摘。同社は3日から「受験生応援キャンペーン」をスタートし、全国約1万1000店舗で特設コーナーを設けるほか、人気受験漫画「ドラゴン桜」と連携、携帯サイトでアドバイスが受けられるサービスも行っている。東京都千代田区のセブン—イレブン麹町駅前店にはキャンペーン初日、近くの予備校に通う受験生が訪れていた。女子生徒は「学校の試験控室にハイレルモンが置いてあった。先生が買ってくれたのかなあ」。男子生徒は「塾で昨日、カナエルコーンをもらった」と話し、合格グッズの購買層は受験生本人から教師らにも広がっているようだ。

 マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさん(45)は、「少子化とお菓子の高級志向で、業界は厳しい競争を強いられている。定番商品のプラスアルファとして合格グッズを出すことで、市場を広げるきっかけにしたいと考えているのでしょう」と話す。

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