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2005年10月24日(月) 00時00分

大人も大丈夫? 『ネチケット』 東京・狛江の小学校 保護者向け講座 堀田龍也助教授のネチケットについての話を聴く保護者ら=狛江第一小学校で 東京新聞

 「ネチケット」とは、電子メールやチャット、掲示板などでやりとりするときに守るべきルールやマナーのことだ。子どもだけでなく、保護者もネチケットに対する理解が十分でないことから、東京都狛江市の狛江第一小学校では、保護者向けの講座「ネチケットって何ですか?」が開かれた。同小のネチケット事情を取材した。  (大島 弘義)

 「ネチケットはネット上でのちょっとしたルールや礼儀のことで、コミュニケーションに必要なのです」。同小体育館で開かれた講座には、父母と教員約六十人が詰めかけた。講師の堀田龍也・メディア教育開発センター研究開発部助教授(講座開催当時は静岡大助教授)は「保護者の認知度を高め、学校と連携して子どもに教えていくことが大切」と、ネチケット教育の重要性を訴えた。

 同小が行った保護者アンケートによると、パソコンがある家庭は90%を超え、大半がブロードバンド(高速大容量)環境を持つ。子ども専用のパソコンがある家庭は高学年で16%に達し、半数以上がインターネットにつながっている。堀田助教授は「これは全国的な傾向とほぼ同じ」という。

 パソコンの設置場所については、「保護者の部屋」とか「リビング」など、親の目が届くところが大半だが、約一割が子ども部屋にも置いていた。堀田助教授は「人前でやる、という点でリビングがベスト。電子メールでやりとりしたり、ブログ、ホームページを自分で開いている小学生もいるが、それ自体は悪いことではない。でも、親が知らないことで事件につながる可能性が高まる」と指摘する。

 また、ネチケットについて子どもに説明できるかどうか聞いたところ、「説明できる」と答えた人は約30%しかいなかった。子どもがアダルトサイトなどを見られないようにする、「フィルタリング」という技術を理解している保護者も20%に満たなかった。

 同小三年男子の父親は「子どもには比較的自由にインターネットを使わせ、ネチケットについて子どもと話したことはない。学校、地域、保護者で繰り返し取り組まないといけないと感じた」。四年女子と一年男子の母親も「保護者同士でネチケットが話題になることはない。ネチケットを身につけないと、大人も子ども以上に危険ですね」と話していた。

 同小で四年生を受け持つ竹谷正明教諭はこの日、道徳の授業でネチケットを扱ったという。校内ネットで「掲示板」をつくり、自由に書き込みをさせた。教諭はわざと「うるせー」などと書き込んでみた。すると、本気ではないと分かっていても「不愉快だ」との感想が子どもたちの間から出たという。教諭は「相手の気持ちを考えさせることが目的です。でも、逆に何も感じないという子はさらに心配」と語る。

 この数年、夏休みの自由研究でインターネットを使っている研究が増えている。竹谷教諭は「三年生くらいから使い始める子が多いようだ」という。子どもの世界にインターネットがどんどん浸透していく現状に対し、熊谷勝仁校長は「情報を選ぶ力をつけるための授業にいっそう力を入れ、今後、保護者にも体験してもらえるようにしたい」と語っていた。

 堀田助教授は「子どもが自宅でやっていなくても、友達がやっていればネットに接続できる。母親同士の情報交換や親子の風通しも重要です」とアドバイスしている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20051024/ftu_____dgi_____000.shtml