情報入手も発見できず野田の幼児虐待（東京新聞）

2005年10月20日(木) 00時00分

　「うちにはいない」とする主張で児童虐待を発見できず−。野田市で母親（２６）と内縁の夫（３８）が長女（５つ）に暴行を加え、重傷を負わせた事件で、同市児童家庭課と柏児童相談所は、母親らの生活ぶりに不審を抱き、情報交換や調査をしたものの、虐待を発見できなかったことが十九日分かった。

　八月から九月にかけて、同課は付近の住民らから「顔を腫らした姉弟（きょうだい）を目撃した」「七月末から子どもを見ていない」などの複数の情報を入手。職員が数回、家庭訪問をしたが、内縁の夫は「一人暮らしをしている」としたほか、母親も「子どもは二人とも元夫に預け、うちにはいない」などと話したという。

　同課は今月三日に児童相談所と連絡会を開き、情報交換。近隣への聞き取りなども行ったが、虐待は確認できず、訪問時に子どもの所在が確認できなかったことから、長女らが住んでいないと判断したという。児童相談所による立ち入り調査などは行われなかった。

　子どもの所在地を確認するために同課は、母親に元夫の住所を尋ねたが断られたという。同課は「子どもの所在をきちんと確認しなかったのが、今回の反省点だが、個人情報保護の観点もあり、難しい」と話していた。

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