2005年09月06日(火) 07時06分

郡山はしご車事故　製造元に賠償請求　遺族が提訴（河北新報）

　福島県郡山市の郡山消防署で昨年７月に起きたはしご車の昇降装置（リフター）落下事故で、死亡した消防士長の男性＝当時（４４）＝の遺族４人が５日までに、製造物責任法（ＰＬ法）に基づき、はしご製造元の日本機械工業（日機、東京）に総額約９８７０万円の損害賠償を求める訴えを福島地裁郡山支部に起こした。

　訴えによると、消防士長はリフターに乗り、はしごを点検中、昇降用の滑車が外れ、リフターを上下させるワイヤが切れたため、約３５メートルの高さから落下して死亡し、同乗の一人も大けがをした。

　事故後に消防庁などが設置した検討委員会は昨年９月末にまとめた報告書で、（１）同型の滑車は一定条件で外れる状態だった（２）ワイヤの強度が不十分だった—などを事故原因として指摘。埼玉県や千葉県の消防本部の同型のはしごでも滑車が外れる事故が発生しており、はしごに欠陥があったと主張している。

　事故をめぐり、郡山地方広域消防組合が昨年１２月、ＰＬ法に基づき、日機に約４０５７万円の損害賠償を求めて同支部に提訴。一方、郡山署は今年２月、業務上過失致死傷の疑いで日機幹部のほか、「リフター落下防止用の緊急停止装置の指導を怠った」として、郡山消防署の副署長ら３人を書類送検した。
　日機は「過失の有無について、刑事事件の捜査と民事訴訟の審理が続いており、コメントは控えたい」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050906-00000010-khk-toh