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2005年02月07日(月) 14時05分

旧五菱会系資金洗浄事件、追徴・没収また認めず読売新聞

 指定暴力団山口組旧五菱会系のヤミ金融グループによるマネー・ロンダリング(資金洗浄)事件で、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの罪に問われた同グループ幹部・奥野博勝被告(28)の判決が7日、東京地裁であった。

 ◆幹部に懲役5年の判決◆

 飯田喜信裁判長は求刑通り、懲役5年、罰金500万円を言い渡す一方、検察側が求刑した追徴金29億9000万円、現金約9586万円の没収については、「被害者が損害賠償請求をする可能性があり、追徴・没収は禁止されている」として認めなかった。

 組織犯罪処罰法は、犯人が被害者から得た財産(犯罪被害財産)について、被害回復を優先させる立場から、没収・追徴をしてはならないと定めている。

 同地裁は同グループ幹部・松崎敏和被告(35)の判決でも約13億円の追徴を認めていない。9日に判決のある同グループ最高責任者・梶山進被告(55)の判決でも、約51億円の追徴と米ドル札1億7900万円相当の没収が認められない公算が大きくなった。

 検察側は「被害者が特定されていない場合、追徴・没収を見送ると、被告に犯罪収益を残すことになり、犯罪者から犯罪収益をはく奪するという組織犯罪処罰法の趣旨に反する」と主張。これに対し、判決は「被害者が特定されるかどうかは、検察官の裁量や捜査の進ちょく状況による。そのような事情で、犯罪被害財産の範囲が左右されるのは不合理だ」と指摘した。

 ◆資産隠匿に加担、元会社役員には懲役4年求刑◆

 また、この事件で、同法違反の罪に問われた元会社役員・山根敬被告(40)の公判が7日、同地裁であり、検察側は論告で「山根被告の仲介により、割引金融債を使って海外に送金する巧妙な資金洗浄が行われた」と述べ、懲役4年、罰金300万円、追徴金3億8000万円を求刑した。弁護側は最終弁論で「当初は犯罪による収益との認識は薄かった」と述べ、執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は3月24日。

 論告などによると、山根被告は2003年1月、梶山被告から、ヤミ金融で得た資産の隠匿を相談され、クレディ・スイス香港の行員だった道伝篤被告(42)を紹介。同年2月から7月にかけ、両者の連絡調整に当たったり、梶山被告らから割引金融債を預かったりして、約94億円の隠匿に加担し、3億8000万円の報酬を得た。
(読売新聞) - 2月7日14時5分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050207-00000105-yom-soci