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2004年12月15日(水) 13時03分

危機感が希薄、「迷惑メール」は日本人的な呼称japan.internet.com

法人向けウィルス/スパム対策の ソフォス株式会社 は2004年12月14日、2004年における国内外のコンピュータウィルス発生状況および傾向の分析を発表した。

同社よると2004年に発生したウィルスはこれまでに10,724を数え、昨年同時期と比較して51.8%の増加であった。ウィルス名別トップ10は、1位が Netsky-P、2位が Zafi-B、3位が Sasser、以下 Netsky-B、Netsky-D、Netsky-Z、MyDoom-A、Sober-I、Netsky-C、Bagle-AA と続いた。また、すべて Windows を対象としたものだった。なかでも注目すべきは Netsky だ。このワームは30以上のバージョンが 出現 し、そのうち5つの亜種が年間トップ10に入っている。さらに1位の Netsky-P は2004年3月に発見されたにもかかわらず、11月中も最も拡散しているウィルスとなった。ユーザーの多くが8か月も前のウィルスに適切な対策をとれていないのが現状である。

計6つもトップ10入りしている Netsky と Sasser を作成したのはドイツの青年 Sven Jaschan である。彼が作成したウィルスは、2004年に報告された全ウィルスの55%以上を占めている。少人数の攻撃が大多数に深刻なダメージを与えるという構造は、「テロリズムに酷似している」と同社 CEO Dr.Jan Hruska は述べている。

スパムに関しても沈静化の兆候はなく、その手法は多岐にわたる。しかし、特に問題なのが「PC のハイジャック」である。これはスパマーがスパムを使って「スパムを配信できる PC」を探し、その結果「ボットネット」と呼ばれるハイジャックされた PC の軍隊ができてしまう。ソフォスでは、約40%以上ものスパムが罪のない PC から送信されていると見ている。

また、2004年は「 フィッシング詐欺 」の増加が目立った。米国では24億ドル以上の被害額で、その成功率は5%にも上るという。例えば、主要10銀行のうちの1つの名を騙り、100万通のスパムを送信する。そうすると、約10人に1人が口座を開設しており、その10万人のうち5,000人(5%)が被害に遭うことになる。このようなフィッシング詐欺はリターンが期待されることから今後も増加すると考えられる。日本におけるフィッシング詐欺はまだ初期段階にあるとソフォスは見ているが、同社代表取締役 Alan Broderick は「『迷惑メール』という呼称は、スパムの脅威に対する危機感の欠如である」と述べる。実際の被害は「迷惑」どころではないのだ。



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(japan.internet.com) - 12月15日13時3分更新

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