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2004年12月07日(火) 10時23分

キャッシュカード 偽造や盗難急増、金融機関も対策本腰毎日新聞

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東京三菱銀行が導入した手のひら静脈認証装置付きATM    偽造や盗難されたキャッシュカードで預金が引き出される事件が急増していることを受け、金融機関も対策に本腰を入れ始めた。東京三菱銀行は10月から、手のひらの静脈で本人確認する生体認証機能が付いたカードを発行。みずほ銀行も来年3月から、希望する個人の全預金者を対象に偽造しにくいICカード方式のキャッシュカードを発行する。他の大手行も追随する方向で検討を進めており、「カードの安全性」をPRして顧客獲得につなげる考えだ。
 ICカードは磁気カードに比べ膨大な情報を記録できるため、データの暗号化などにより偽造防止策を取りやすい。みずほ銀は、希望する個人顧客のキャッシュカードをICカードに切り替える予定で、来年3月までに7割の店舗のATM(現金自動受払機)をICカード対応に改造する。三井住友銀行も04年度中にICキャッシュカードを発行する準備を進めており、郵政公社も07年度からの切り替えを検討している。いずれも切り替えの際の手数料の有無や金額は未定のため、銀行間の価格競争になる可能性もある。
 一方、東京三菱銀行は10月、手のひらの静脈で本人確認するクレジットカード機能付きICキャッシュカードの発行を始めた。カードに静脈の情報を記録しておき、約7割の店舗に設置した専用ATMにカードを通した後に手をかざして本人確認する方式で、盗難カードによる預金引き出しを防げる。万一、偽造・盗難で預金が被害にあった場合も、1億円を上限に補償するなど、「手厚さ」をアピールする。02年から特定の口座にICキャッシュカードを導入しているUFJ銀行も、11月から不正利用防止対策を強化した。
 地方銀行では、スルガ銀行が手のひらの静脈パターンを銀行のシステムに登録し、ATMで預金を引き出す際に専用端末で本人確認するサービスを一部口座で導入した。開設時の預け入れ金額が100万円以上というのが条件で、安全性を前面に出して富裕層を取り込む戦略だ。
 全国銀行協会によると、偽造キャッシュカードによる預金の不正引き出しは01年度はわずか1件だったが、03年度は91件、2億7200万円に急増。04年度も9月までですでに122件、4億6100万円に達している。各金融機関は暗証番号の定期的な変更などを呼びかけているが、キャッシュカードにクレジットカード機能を付加するなど「多機能化」を進めるうえでも抜本的な対策が不可欠になっている。【坂井隆之】
(毎日新聞) - 12月7日10時23分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041207-00000012-maip-bus_all