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2004年11月13日(土) 00時00分

脱堤コクド、西武王国解体“鉄道”中心に衣替えZAKZAK

リゾート事業リストラへ顔写真=による闇支配の終焉が迫る。


12日夕の会見で、頭を下げる西武鉄道の小柳社長(右から3人目)。堤氏の支配からの脱却を宣言したが…  【脱・堤色】

 西武鉄道は12日、虚偽記載の経緯などを発表した会見で、同社の自主性を軸とする経営改善計画を打ち出した。同社は、グループ中核のコクドや堤氏を中心とした闇支配からの決別を宣言したのだ。

 改善策の骨子は、西武鉄道に対するコクドの出資比率を3割以下まで引き下げてコクド支配から脱却し、西武鉄道がレジャー、都市型ホテル、鉄道事業、不動産の事業を進めるというもの。

 西武グループはプリンスホテルを中心に全国でホテル、ゴルフ場など約150施設を運営している。だが、北海道・東北で年34億円の営業赤字を出すなど不振事業が多いため、事業の分離・独立を検討する。

 市場関係者は「西武グループは、堤氏がコクドを完全支配し、そのコクドが鉄道、プリンスホテル、西武ライオンズなどを統治する、いびつな経営形態をとっていた。公共機関の鉄道事業ありきの経営ではなく、プリンスホテルなどレジャー事業以下というのが鉄道事業の位置付けだった。それを大幅に見直すということでしょう」と話す。

  【未曾有の改革】

 西武鉄道の小柳皓正社長は12日の会見で、「今までのグループ統治がまずかったというのが改革の出発点。西武鉄道も他の電鉄会社と同じように、電鉄が支配する形にしたい」と強調、経営改善策は来年1月をめどに策定するという。

 経営改善策は、22日付で設置される「西武グループ経営改革委員会」が作成。同委は4人の委員全員を外部から招聘(しょうへい)し、委員長には諸井虔・太平洋セメント相談役が就き、主取引銀行のみずほコーポレート銀行の後藤高志副頭取も委員となる。

 コクドの三上豊社長も虚偽記載の責任をとって、22日付で引責辞任する。西武王国にとっては未曾有の大改革だが、再建は純粋に経営だけの問題ではないだけに、容易ではない。

  【不良債権】

 東証は16日にも、虚偽記載問題で西武鉄道鉄道の上場廃止を正式に決める見通しだ。上場廃止なら、経営に打撃を与えるのは間違いない。

 西武グループの有利子負債は約1兆2000億円とされる。このうち、みずほコーポレート銀行は、みずほ信託銀行、みずほ銀行のグループは計約3000億円を融資しているとみられる。

 グループ中核企業のコクドは平成8年3月期から9期連続で営業赤字が続き、ゴルフ場などの土地も値下がりして担保価値が減少している。同社は、これまで取引先銀行から「健全債権」とみなされ、約3500億円の融資を受けてきた。

 その背景にあったのが西武鉄道株の含み益と堤氏の存在だった。

 「堤氏の個人の信用力を担保に融資していた側面が強い」(大手銀幹部)

 だが、堤氏はグループから姿を消し、西武鉄道株も上場廃止となれば、信用力はがた落ちする。さらに、西武鉄道株の買い戻しを迫る企業への補償も重くのしかかる。

 結果、「西武鉄道の債務者区分は『正常先』から『要注意先』以下に転落してしまう可能性がある。すでに、取引銀行も区分格下げの検討を始めたようです」(同)。

  【追い打ち】

 さらに、西武グループに重くのしかかるのが、18年度から導入される減損会計だ。

 リゾートホテルやゴルフ場などグループ全体で保有する土地は4000万坪とされ、バブル期には一時、時価40兆円に及んだとされる。グループ総帥の堤氏も『世界一の富豪』と称賛された。

 だが、減損会計が導入されれば、土地や建物といった資産について、含み損計上を義務付けられる。

 「(産業再生機構に支援要請した)大京やダイエーも減損会計で、決局、機構入りを余儀なくされた」(信用調査機関)。西武グループの経営が根底から揺さぶられることになる可能性もでてくる。

  【迫る捜査】

 証券取引等監視委員会が調査しているインサイダー取引疑惑の行方も、経営に大きな打撃を与えそうだ。

 現在、証券取引等監視委員会は堤氏への聴取も視野に入れ、実態解明を急いでいる。国税庁も西武グループの法人税の過少申告など西武グループの経営実態の解明を進めている。

 西武鉄道株を購入した企業は30社以上に及び、株の買い戻しを請求する企業も拡大中だ。

 西武鉄道の小柳社長はグループ大再編で、未曾有の危機の乗り切りを図るが、50年以上に及びベールに包まれてきたグループの恥部やウミが明らかになれば、負のスパイラルは底なしとなる。

 堤氏の影響力を完全に排除できるかも疑問視する声も多い。諸井氏らが大ナタを振るい、王国再建に立ち向かえるかが存廃の分かれ目となりそうだ。

ZAKZAK 2004/11/13

http://www.zakzak.co.jp/top/2004_11/t2004111302.html