2004年10月08日(金) 00時00分

三菱自動車の欠陥車事故をめぐって、過失責任を問われた元社長… （東京新聞）

　三菱自動車の欠陥車事故をめぐって、過失責任を問われた元社長河添克彦被告らが、横浜地裁の初公判で「事故は痛恨の極み」と謝罪しながら「責任はない」と無罪を主張した▼弁護側は「経営トップは何か起きたら全部責任を負わなければならないのか」と疑問を示し「トップは道義的、社会的責任はあっても刑事責任は別だ」という▼では会社ぐるみのクレーム隠しやヤミ改修は誰が指示したのか。記者会見まで開いて謝罪しながらトップに責任はないのか。会社の経営責任とはいったい何なのだろう▼七日はＵＦＪ銀行が、検査を妨害したとして金融庁から東京地検に刑事告発された。東京三菱銀行と三井住友銀行を両天秤（りょうてんびん）にかけた合併劇で訴訟騒ぎまで起こしながら、その元になった不良債権額を過少に見せて追加の損失処理を免れようとした。パソコンデータや議事録など重要資料を隠蔽（いんぺい）、改竄（かいざん）した疑いだ▼七日付特報面で、ミサイル防衛（ＭＤ）開発を目的に武器輸出の部分解禁を求める財界に、経済同友会終身幹事で戦中派の品川正治さんが苦言を呈する。莫大（ばくだい）なコストと有用性に疑問が残るＭＤに「商売の機会を減らしたくないのだろうが、そんな企業社会の論理と政治は別。政治は市民社会の論理によってなされるべきだ。政治が企業社会の論理に染まってはいけない」▼企業の都合しか考えない。追いつめられれば自分の都合だけにもなるのが経営者なのだろうか。ファンや選手の都合を全く考えずに、一リーグへの縮小再編に走ったプロ野球のオーナーたちもいた。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20041008/col_____hissen__000.shtml