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2004年08月25日(水) 17時50分

「iPodを無料で提供」マーケティングは成功するか(上)WIRED

 相当騙されやすい人間でなければ、『iPod』(アイポッド)が『 http://www.freeipods.com/ フリーiPodsコム』で無料で手に入ると言われても、かなり胡散臭い話と思うところだ。

 だが意外にも、フリーiPodsコムは合法的なサイトのようだ。このプログラムが怪しいマルチ商法でないのは確かと言えるだろう。これは、米イーベイ社や米アメリカ・オンライン社(AOL)、米コロンビア・ハウス社などの企業が後押しする、新手のオンライン・マーケティングなのだ。

 ネット上のあちこちで、大勢の満足げな利用者が http://www.wired.com/news/images/0,2334,64614-13929,00.html 新品のiPodを見せびらかす姿(写真)が見られるが、アナリストはこのマーケティング手法の採算性について懐疑的だ。

 このプログラムは次のような仕組みになっている。フリーiPodsコムでオンラインの様々な企業プロモーションと契約し、自分以外に5人のプロモーション参加者を勧誘したら、このサイトからiPodか250ドルのギフト券がもらえる、というものだ。

 契約者は、AOL社のサービスの45日間試用や『 http://www.ancestry.com/ アンセストリー・コム』の家系図サービスの2週間試用など、10種類のサービスから選べる。通常、こうしたサービスは無料で、簡単にキャンセルできる。

 試用期間が完了すると、主契約者と紹介された参加者のいずれにも、無料のiPodが配送される。

 「もちろん疑わしいとは思ったが、試してみても損はないと考えた」と語るのは、オレゴン州セーレムのコリン・グレイディーさん(22歳)。グレイディーさんは今月、iPodを無料で手に入れ、自身の http://www.collingrady.com/ ブログにそのことを書き込んでいる。

 「クレジットカードの番号を求められたことは一度もなく、送料も払わずに済んだ。送り先を知らせただけだ……。あらゆる面で、まったく負担のかからないプロセスだった」

 実際、一部のユーザーは喜びのあまり、このプログラムが詐欺ではないことを訴え、「コンガ・ライン」[コンガという列になって踊るダンスからの連想で、列に連なることあるいはその状態をいう]と呼ばれる関連サイトを立ち上げて積極的な参加を呼びかけているほどだ。

 ボストンのバークリー音楽大学に通う学生、ジョン・サウアーさん(19歳)。「フリーiPodsコムを悪徳商法だと思っているユーザーが非常に多い。それが間違いであることを証明したかっただけだ」と語る。サウアーさんは、『 http://www.freeipodsandflatscreens.com/ フリーiPodsアンド・フラットスクリーンズ・コム』を運営している。

 タイラー・ダーハイムさん(17歳)が運営するサイト、『 http://www.freeipodguide.com/ フリーiPodガイド』は、ダーハイムさんの自宅の前に止まっている配達用トラックや受領書、そしてもちろん、新しいiPodの画像が掲載されている。

 フリーiPodsコムは、ピーター・マーティン氏とロブ・ジュエル氏が所有する「顧客獲得」会社、 http://www.gratisnetwork.com/ 米グラティス・インターネット社(本社ワシントンDC)が運営するウェブサイトの1つだ。

 「疑う気持ちはよくわかる。多くの人々は、ただで手に入るものはないと信じているが、これは断じて詐欺ではない。100%合法だ。われわれは毎日(iPodを)送付している」とマーティン氏は語る。

 マーティン氏とジュエル氏は合同インタビューの中で、フリーiPodsコムは、『イーベイ』に広告を載せて同じように無料でiPodを提供すると謳っている無数のマルチ商法とは違うと述べている。

 2人の説明では、グラティス・インターネット社は、AOL社やイーベイ社、米リアルネットワークス社などのサイトに見込み客を送り込む見返りに、成功報酬を受け取っているという。

 「当社はマーケティング会社だ。広告主に見込み客を送り込んでいるのだ。『マルチ商法』とか『詐欺』だと言われるとうんざりする。米アムウェイ社よりも、『 http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20040415201.html サブサービエント・チキン(日本語版記事)』のような『ウイルス型マーケティング』のほうに近い」とジュエル氏。

 2人は受け取っている金額は明らかにせず、広告主と直接取引しているわけではないと語る。グラティス・インターネット社は、サンフランシスコの http://www.adteractive.com/ 米アドタラクティブ社など、他のマーケティング会社から委託されている。

 グラティス・インターネット社はこの4年間、『 http://www.freecds.com/Default.aspx フリーCDsコム』や『 http://www.freedvds.com/Default.aspx フリーDVDsコム』、『 http://www.freevideogames.com/Default.asp フリー・ビデオゲームズ・コム』、『 http://www.freecondoms.com/ フリー・コンドームズ・コム』で顧客獲得プログラムを実践してきた。

 グラティス・インターネット社はこれまでに、500〜600万個のコンドームを含む、300万ドル相当以上の商品を無料で提供している。

 マーティン氏によると、フリーiPodsコムは6月の開設以来、2500台以上のiPod——100万ドル以上に相当——を発送しているという。

 だが、この数週間で、サイトへのアクセスは爆発的に増えており、マーティン氏によれば、100万人近い人々が最近プログラムに登録したという。ただし、大半が名前や住所を偽っているそうだ。

(8/26に続く)

[日本語版:矢倉美登里/高森郁哉]

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(WIRED) - 8月25日17時50分更新

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