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2004年08月21日(土) 16時05分

債務整理に嫌がらせ ヤミ金業者か−−弁護士が告訴状 /宮城毎日新聞

 ◇虚偽通報で消防車20台、電話で「ぶっ殺すぞ」
 虚偽の通報で消防車を呼ばれるなどの嫌がらせを繰り返し受けたとして、仙台弁護士会所属の鎌田健司弁護士(35)が20日、威力業務妨害の容疑で仙台中央署に告訴状を提出した。容疑者は不詳だが、鎌田弁護士は「自分が債務整理を担当しているヤミ金業者の可能性が高い」と話している。
 告訴状によると、鎌田弁護士は同弁護士会消費者問題対策特別委員会のメンバーで、長くヤミ金対策や多重債務問題に取り組んできた。8月に入り、計3人から債務整理の依頼を受け、複数のヤミ金業者に「(不当な高金利を課した)違法な貸し付けであり、返済義務はない」と通知したが、直後から嫌がらせが頻発するようになった。
 中でも、11日には▽「ぶっ殺すぞ」「出前届けてやるよ。晩飯何がいい」などの脅迫めいた電話が、午後4時過ぎから30分以上続いた▽同4時半に「配車要請があった」としてタクシー5台が着いた▽同5時ごろ「鎌田事務所で火災が起きた」という虚偽の通報で、消防車20台が駆けつける騒ぎになった——という嫌がらせを受け、事務所の業務が著しく停滞したという。
 告訴では同会の所属弁護士60人が代理人となっている。鹿野哲義会長も同日「ヤミ金業者による弁護士への嫌がらせ行為は、紛争を法的に解決する市民の権利を脅かすもので到底看過できない」とする声明を発表した。
 昨年9月のヤミ金融対策法施行後、同会に寄せられる相談件数は減少傾向にあるが、逆に巧妙、悪質化が進んでいるという。告訴後に記者会見した鎌田弁護士は「卑劣な挑戦行為を許すわけにはいかない。警察には断固とした処分を求めたい」と話した。【赤間清広】
 ◇「完済後も勝手に金を振り込まれ」−−被害債務者、一問一答
 鎌田健司弁護士の記者会見には、ヤミ金被害に遭った県内在住の女性(46)も同席。悪質な手口や取り立ての実態を証言した。一問一答は次の通り。
 ——ヤミ金業者から融資を受けた経緯は。
 「1カ月ほど前、自宅に届いたチラシを見て4万円を借りた。大手消費者金融を語っていたが、実態はまったく関係のないヤミ金業者だった」
 ——返済はできなかったのか。
 「完済しても勝手に金を振り込まれ『まだ返済が終わっていない』と迫られる。当初は1週間ごとに1万円の利息という約束だったが、次第にそれもなし崩しになっていった。既に30万円ほど支払ったが『あと5万円残っている』と際限がない」
 ——取り立ては?
 「債務整理を弁護士さんにお願いして以降、急に激しくなった。日中は電話が鳴りっぱなし。口調は乱暴で『殺すぞ』『生活できなくしてやる』と言われたこともある。携帯電話にも『今から行く。楽しみにしてろ』『まだまだたっぷりやったるからな』というメールが入る。身の危険を感じる」
 ——嫌がらせもあるのか。
 「勝手にピザが届けられたり、タクシーが来たり。数日前は消防車が呼ばれ、近所に迷惑をかけた。サイレンの音が聞こえるたびに『また嫌がらせじゃないか』とおびえながら生活している」
 ——家族への影響は?
 「長女の勤める保育所にまでヤミ金業者から電話がいった。『保育所が代わりに払え』『園児の登園時間は分かってる。その時間にダンプよこすからな』と脅されたようだ。申し訳ない思いでいっぱいだ」
     ◇
 ◇違法な高金利、年1300%超
 仙台弁護士会によると、このヤミ金業者は法定利息(年29・2%)を大幅に上回る年1300%超の高金利で強引な融資を続けている。ヤミ金融対策法では、年利109・5%を超える貸し付けについて「利息の支払い義務はない」と規定されている。【赤間清広】

8月21日朝刊 
(毎日新聞) - 8月21日16時5分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040821-00000000-mailo-l04