2004年06月16日(水) 22時19分

「口座屋」に１００万賠償命令、ヤミ金詐欺ほう助で（読売新聞）

　ヤミ金融業者から保証金名目で詐欺の被害にあった兵庫県・淡路島に住む７０歳代の女性が、被害金を振り込んだ銀行口座を密売していた電話代行会社「ふれあい友の会」（東京）とその役員、荻村忠明被告（４１）（詐欺罪で公判中）を相手取り、慰謝料など１００万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が神戸地裁洲本支部であり、鳥飼晃嗣（こうじ）裁判官が「金融業者の詐欺行為をほう助した」として、請求全額の支払いを命じたことが１６日、分かった。

　女性の代理人の蔭山文夫弁護士によると、「口座屋」に賠償責任が認められたのは初めてという。

　判決は仮執行宣言付きで、女性側は、荻村被告が拘置先の警視庁田園調布署に預けていた所持金４３万円も差し押さえた。

　判決などによると、昨年５月下旬、「セイコウ」と名乗る金融業者から女性に「５０万円貸すので保証金を払い込んで欲しい」と電話があった。女性は計１４万円を払い込んだが融資は行われず、連絡も取れなくなったため、口座名義人の男性を相手取り、損害賠償を求め提訴した。男性は口座を「ふれあい友の会」に売り、同社が第三者に転売していたことが判明し、女性は今年２月、荻村被告らを相手に訴訟を起こした。

　荻村被告は「被害事実を知らず、口座の売買代金７０００円しか受け取っていない。全額の賠償責任はない」と反論していたが、鳥飼裁判官は「悪用されることは当然、認識できたはず」と指摘した。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040616-00000414-yom-soci