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2004年06月11日(金) 00時00分

河添元社長ら6人逮捕 三菱自クラッチ欠陥 神奈川県警瀬谷署を出る三菱自動車元社長の河添克彦容疑者(後部座席中央)=10日午後7時5分 東京新聞

 山口県で二〇〇二年、三菱自動車製大型車のクラッチ系統の欠陥により男性運転手=当時(39)=が死亡した事故で、神奈川、山口両県警の共同捜査本部は十日、業務上過失致死の疑いで、同社元社長の河添克彦容疑者(67)ら元役員六人を逮捕した。同社製大型車の欠陥をめぐっては先月、欠陥ハブによるタイヤ脱落事故で、業務上過失致死傷や道路運送車両法違反(虚偽報告)の罪で元役員ら五人が起訴されている。捜査本部は、死亡事故について元社長らの刑事責任を厳しく追及、会社ぐるみの欠陥隠ぺいの全容解明を目指す。 

 捜査本部は、同社が一九九六年にクラッチ系統の欠陥を認識し、少なくとも二〇〇〇年のクレーム隠し発覚の時点でリコール(無料の回収・修理)などの適切な対応をしていれば、死亡事故は防げたと判断した。

 ほかに逮捕されたのは同社の元副社長横川文一(66)▽元役員村田有造(66)▽元副社長宇佐美隆(63)=三菱ふそうトラック・バス前会長、道路運送車両法違反で起訴▽元品質・技術本部長鈴木弘敏(65)▽元品質・技術本部副本部長中神達郎(61)の五容疑者。

 河添、村田、中神の三容疑者は容疑を認めているという。

 調べでは、同社製大型車のクラッチを格納する「クラッチハウジング」が強度不足で壊れ、ブレーキなどの破損を引き起こす恐れがあった。同社は九六年三−五月に開いた「リコール検討会」で、それまでに同種の不具合が三十件以上あり、欠陥を認識しながら、リコールをしないことを決定。

 二〇〇〇年にクレーム隠し事件が発覚し、旧運輸省(現国土交通省)から重要不具合の報告を求められながら、河添容疑者らはクラッチ系統部品の欠陥を隠ぺいすることを了承し、欠陥を放置。その結果、山口県の死亡事故を引き起こした疑い。

■衷心よりおわび

 岡崎洋一郎・三菱自動車社長の話 クラッチハウジングの破断脱落事故に関連し、元社長が業務上過失致死容疑で逮捕された事態を厳粛に受け止め、事件の全容解明に向け捜査に真摯(しんし)に協力していく。事故で亡くなった方の冥福(めいふく)を祈るとともに、遺族の方々に衷心よりおわび申し上げる。

(メモ) 山口県の事故 2002年10月19日、山口県熊毛町(現・周南市)の県道交差点を走行中の三菱自動車製の冷凍車(9トン)で、クラッチの欠陥により動力を後輪に伝える「プロペラシャフト」が脱落。これが原因でブレーキパイプが損傷したため冷凍車は制動不能になり、横断地下道路出入り口に衝突。運転手=当時(39)、鹿児島県国分市=が死亡した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040611/mng_____sya_____007.shtml