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2004年03月24日(水) 00時00分

交通事故患者 診療情報 無断で損保に 東京新聞

 交通事故でけがをした被害患者の診療情報が長年、本人同意なしに病院や医師から損害保険会社に無断提供されていることが明らかになり、北海道と北海道医師会が「医師が刑法一三四条違反(秘密漏示)に問われる恐れがある」として、行政指導や改善に乗り出していたことが、二十三日分かった。

 関係者によると、こうした保険金算定のための情報提供には一件数千円の「診断書料」が損保から病院側に支払われているという。道や道医師会は指導・改善に際し、患者の同意を確実に取るよう病院側に伝えているが、損保も入手目的を患者に知らせるなどの対応を迫られそうだ。

 問題の診療情報は、診断書(カルテ)、診療報酬明細書(レセプト)のコピーやエックス線写真など。個人情報のため、医師は原則として患者本人にしか提供できないが、保険金算定の判断材料にすることを目的に、損保が医師から直接入手することが慣例になっていた。

 道内の交通事故の保険請求件数は年間五万件を超えることから、「患者全員から同意を得るのは不可能」(大手損保)で、患者が知らないうちに診療情報が損保へ渡る「横流し」状態になっているという。

 さらに「横流し」情報をもとに損保が保険金給付の停止を決める事例もある。二〇〇二年末に歩行中に乗用車にはねられ、通院していた苫小牧市内の七十代男性は一カ月後に突然、保険金給付の停止を受けたが、後日、無断提供された診療情報をもとに損保が判断したことが判明。こうした事例は一昨年以来、道内で十数件確認されている。

 事態を重く見た道は、道内九カ所の道立病院に対し、診療情報の直接提供をやめ、患者経由で損保へ渡すよう指導に乗りだした。さらに四月以降は「診療情報の提供に関する指針(ガイドライン)」を策定し、徹底を図る方針だ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20040324/mng_____sya_____007.shtml