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2004年03月09日(火) 14時37分

本当に守れる?内部告発者、保護法案を閣議決定読売新聞

 不祥事を起こした企業が、相次いで「内部告発」の通報制度を作っている。しかし、解雇や減給、左遷などの不利益処分を受けた告発者を救済し、元の処遇に戻す原状回復規定を設けているケースは少ない。

 公益通報者保護法案が9日、閣議決定された。だが、不利益処分に対する罰則はなく、法案を作った内閣府は「裁判で損害賠償などを求めてもらうしかない」と言う。これに対し、弁護士などからは「制度として不完全」という声が上がっている。

 元社員の告発を発端に昨年12月、前会長の武井保雄被告が盗聴事件で逮捕された武富士(東京都)は、社外弁護士を窓口とする通報制度を作った。しかし、通報内容などで告発者が判明し、不利益処分を受けた場合の対応については「検討中」。告発者の解雇などを禁じる規定もないという。

 2002年に子会社の牛肉偽装事件が発覚した日本ハム(大阪市)も「告発者に人事上の問題が起きないようにする」と話すが、不利益処分の禁止や救済措置などを定めた規定はない。

 昨年、証券取引法違反で元幹部が在宅起訴された大阪証券取引所(同)は不利益処分の禁止規定を設けたが、「通報者が不利益を受けることを想定しておらず、救済手続きまでは定めていない」という。

 内閣府では「不利益処分が起きないよう各企業に対応を促すのが法案の狙いで、罰則規定を設けるのはなじまない」としている。だが、同府が一昨年、上場企業776社を対象に行った調査では、289社が通報制度を持つが、このうち通報を受ける窓口に守秘義務を課すだけのものを含め、告発者保護規定があるのは135社にとどまっている。

 保護規定を定めていない理由について、各企業は「試行錯誤中で救済規定にまで考えが至っていない」(三菱自動車工業)、「告発者が秘匿されるので、不利益は起きない」(名古屋鉄道)などと説明している。

 こうした中、一昨年の肉まんの無認可添加物混入事件、昨年の元会長による不正支出事件と不祥事が相次いだダスキン(大阪府吹田市)は、告発者が不当な扱いを受けた場合、外部弁護士を交えた委員会が調査し、原状回復のほか、不利益処分をした社員を処分する制度を作った。

 内部告発の相談に乗る市民団体「公益通報支援センター」(大阪市)には一昨年10月の発足以降、約200件の相談が寄せられた。同センター事務局長の阪口徳雄弁護士は、「匿名でも、内容によって告発者が特定されてしまう場合は多い。不利益処分の禁止や原状回復措置を明文化しなければ、通報窓口を作っても意味がない」と指摘している。

 ◆公益通報者保護法案=内部告発者に対する解雇など不利益処分の禁止をうたい、9日に閣議決定された。同日中に国会に提出され、2006年4月施行を目指す。内部告発の乱用を懸念する経済界や自民党などに配慮し、保護対象を法令違反に関する告発などに制限したり、報道機関など外部通報に条件を設けたりしているため、日本弁護士連合会や消費者団体は批判している。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040309-00000105-yom-soci