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2004年02月05日(木) 08時02分

隣の鳥居 妙に“煙たい” 仙台・大崎八幡宮河北新報

 大崎八幡宮(仙台市青葉区)の大鳥居の隣に、神社をイメージさせる外観の焼き肉チェーン店が進出し、景観論争が起きている。焼き肉店が出入り口に「鳥居」を立てたこともあり、ともすれば本物の大鳥居以上に目立つ。市条例などには抵触しないが、神社関係者は「国宝でもある地域の『顔』に落書きされた感じだ」と反発している。

<社務所みたい>
 「京王ズ」(仙台市)が経営する「やき組」八幡店。宮城県内10番目の「やき組」店舗として昨年末、青葉区八幡の国道48号沿い、八幡宮の大鳥居の西側に開店した。
 真っ白な外壁に鮮やかな朱色の柱などを組み合わせた造りは他店と同じだが、初めての試みとして店舗出入り口に鳥居を設けた。国道の車道上に立つ「八幡宮」の観光標識がちょうど同店の前に立っていることもあり、「社務所みたいな印象を受ける」(50代男性)と語る歩行者もいる。

 神社は「神社風の形状の店舗を建てることは事前に説明がなく、建物が組み上がって初めて分かった。特に鳥居は神社のシンボルであり、とても困る。鳥居設置に関しても相談はなかった」と反発。開店直後、役員・総代一同名で「やき組八幡店は大崎八幡宮とは一切かかわりありません」との看板を境内などに掲示した。

<条例に触れず>
 これに対し京王ズは「以前から大型外食店が少ない八幡地区に出店を計画していた。紹介された土地がたまたま隣接地だった」(経営企画室)としている。

 説明によれば、鳥居を設置したのは、店の敷地が狭く1階に駐車場を設けたことで、客の出入りが2階となったため、2階まで客を誘導するための試みの一つ。特に八幡宮の隣接地だと意識して特殊な造りにしたわけではない。今後出店を進める関東方面では手狭な用地も多くなると予想されるだけに「2階への上り口に鳥居を設けるモデルケースにしようと考えた」という。

 仙台市の景観に関する条例は、「高さ31メートル以上」などの大規模建築物を対象に景観への配慮を求めているが、今回の2階建て店舗は該当しない。鳥居を含め、屋外広告物を規制する条例にも抵触しない。

 個人の財産権に絡む景観の規制は難しい面があり、全国的にも強制力を持った規制は少ない。市都市整備局の担当者は「条例に抵触しなくても自主的に色や形状に配慮してもらえればありがたい。いろいろ意見があると思うので、市民の議論が深まるきっかけになれば…」と話している。

http://www.kahoku.co.jp/news/2004/02/20040205t13037.htm