悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2004年01月26日(月) 00時00分

虫混入問題の対馬産シイタケ出荷再開へシイタケを収穫する藤島春実さん(右)と妻花枝さん。ふっくらと育つ大ぶりのシイタケは島内でも評価が高い=対馬・上県町で朝日新聞・

昨年秋、学校給食用に出荷された乾燥シイタケに虫が混入していたことが明るみに出た。産地の対馬では、以後品質と衛生管理のマニュアル作りや生産者の意識向上に努め、自粛していた学校給食向けの出荷は今月末に再開される。ひとまず区切りとなるが、この間の経緯を振り返ると、輸入増と後継者不足に悩む産地の厳しい現状が見えてくる。
(高木潔)


  虫の混入は昨年10月初旬、三和町と五島・有川町の給食センターで相次いで見つかった。9月下旬に対馬農協が出荷した約30キロとみられ、いずれも水で戻す時点で見つかり、調理には使われなかった。

  虫はヒラタムシとコクゾウムシの2種類。主に穀類につき、シイタケも好むが、高温の乾燥機で処理される時点で生シイタケについた虫や卵は死滅する。乾燥後は水分が大幅に減るため虫は好まなくなる。

  ではなぜ虫が発生したのか。問題のシイタケは集荷時に複数の生産者のものが混ざり、生産者の特定や混入の原因は突き止められなかった。だが県と農協は(1)乾燥が足りなかった(2)窓を開けたまま集荷や袋詰め作業をするなど衛生管理が不十分だった、といった要因が重なったためではないかと見ている。

  対馬産の「乾燥の甘さ」は以前から指摘があった。シイタケ栽培を兼業するある林業家は「どの生産者も収入が減り、乾燥機の燃料代を少しでも節約しようとするからですよ」と打ち明ける。乾燥機にもよるが、1回の乾燥に20時間前後も灯油を燃やし続けなければならない。その時間を減らすため、虫の卵が死滅しなかったり、水分が多いまま出荷されたりして虫が発生しやすくなるのだという。

  上県町の藤島春実さん(63)は父の代から50年続く生産農家だ。山から毎年コナラやアベマキを切り出す。1メートルの原木7500本を組んで菌を植える作業は重労働だ。

  藤島さんの年間生産量は1200キロ。ピークだった83年には1キロ当たり平均7000円の収入があり、上物は2万円以上で売れた。昨年の売値は3千円台。「もろもろ経費を引いたらいくら残るか想像はつくでしょう。県や町から補助があるからなんとかやっていける」と寂しそうに話す。藤島さんたち生産者の大半は林業との兼業だ。成人した子どもたちは別の道をすでに歩んでいる。

  対馬産を脅かす中国産の乾燥シイタケは87年ごろから増えだし、中国産を含む総輸入量は、01年は国内消費量の65%に達した。輸入価格は1キロ887円と国産の3分の1だ。

  ただ対馬産の価格はやや戻りつつある。昨年は、底値だった99年より1350円高い1キロ3400円。中国産の野菜の農薬残留が相次いで発覚し、食の安全・安心に対する関心の高まりもあってか、天然木に水だけで育つ対馬産が見直されてきたのかもしれない。

(1/26)

http://mytown.asahi.com/nagasaki/news01.asp?kiji=3464