2003年12月31日(水) 00時00分

エフェドラ販売禁止を決定　　 米厚生省とＦＤＡ　　　　 （東京新聞）

　【ワシントン３０日共同】米厚生省と食品医薬品局（ＦＤＡ）は３０日、ダイエット効果があるとされる成分「エフェドラ」を含むサプリメント（栄養補助食品）の販売を全面的に禁止すると発表した。米政府が栄養補助食品の販売禁止に踏み切るのは初めて。禁止措置は数週間以内に公布され６０日後に発効する。

　ＦＤＡなどによると、エフェドラ服用者の死亡例は１５５件に達し、１万６千件を超える副作用も報告されていたという。

　エフェドラは漢方薬の麻黄（まおう）の成分で、せき止め薬などに使われるエフェドリンの関連成分。減量や運動能力を高める効果が期待され人気が高かった。

　米国では常用していた米大リーグ、オリオールズのスティーブ・ベクラー投手＝当時（２３）＝が２月に突然死して危険性が問題化していた。

　ＦＤＡは「死亡例が報告されている」との警告ラベルを添付することを義務付け、ニューヨーク、カリフォルニア、イリノイ州は販売を禁止し、薬局チェーンなどに販売自粛の動きも出ていた。

　日本では販売が禁止されているが通信販売などで輸入されている。

　栄養補助食品などの販売禁止には、ＦＤＡ側に危険性を立証する責任があるが、ＦＤＡのマクレラン局長は「単なる副作用例の報告だけでなく体内でどうエフェドラが作用するか臨床的研究に基づき決定した」と強調している。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20031231/fls_____detail__011.shtml