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2003年12月31日(水) 07時17分

投信で18億円、運用せず大半不明 着服で起訴の元社長朝日新聞

 約28億円分の有価証券を着服したとして起訴された南証券(00年3月に破産、前橋市)元社長の平田浩一被告(37)が、無登録の投資顧問会社を設立して投資信託商品を売り、約800人から約18億円を集めていたことがわかった。「預かった資金を不動産に投資して元本保証する」などと説明しながら運用した形跡がほとんどないうえ、大半の十数億円の行方がわかっていない。警視庁は詐欺の疑いがあるとみて捜査している。

 調べや関係者によると、投資顧問会社は「グース・アンド・グリドアイアン(G&G)」。米ニューヨークに本店があるとし、平田被告は「日本支社長」と称していた。

 平田被告は98年9月〜99年3月ごろ、G&Gや関連会社の名で「確定年利4.8〜6.8%」などとする高利回りの投資信託商品を宣伝、購入者を募った。広告の対談に有名スポーツ選手の家族のタレントを登場させ「確定利回り6.8%の金融商品なんて日本中どこにもないですよ」などと説明させていた。

 G&Gが国内で事業を始めることが一部日刊紙に記事で紹介され、約18億円が集まった。うち数億円は投資家らに償還されたが、残りの大半の行方がわかっていないという。

 「銀行よりも高い利率にひかれた」という東京の男性会社員(53)は99年6〜7月、折り込み広告などで商品を知り、利率5.2%という「G&Gミニ・ボンド」200万円分と、利率6.9%をうたう「イマージング・ジャパン・ファンド」500万円分を購入した。

 触れ込み通りの利息が銀行口座に振り込まれたのは1回だけ。その後G&Gは00年6月に破産、管財人から戻ってきたのは約7万円で、男性は「老後に備えた貯金だった」と悔やむ。

 G&Gは投資信託業の登録をしていなかったため、金融監督庁(現金融庁)から98年に商品販売の中止を求められていたが、同社は「不動産の投資信託であり、証券投信法の規制の対象外だ」などと主張していたという。

 南証券の破産管財人の弁護士は「誇大な宣伝で勧誘し、実体のない会社の発行する無価値な社債券を売る手口は、かつて南証券札幌支店が実体のない関連会社の社債を販売して金融監督庁から販売停止処分を受けたケースと同じだ。平田被告の違法行為の始まりと言える」と指摘する。

 捜査2課は、G&Gの営業期間が南証券の買収(99年3月)直前だったことから、集めた資金を南証券の買収や自分の借金の返済に充てた可能性があるとみている。(12/31 07:17)

http://www.asahi.com/national/update/1231/005.html