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2003年12月29日(月) 00時00分

生保の契約変更の『転換』取り消し実現 『裁定審査会』有効に利用 東京新聞

 生命保険契約内容を約二年半前にいったんは納得して見直し「転換」した愛知県刈谷市の会社員の男性(58)が今年十月、生命保険協会の調停機関「裁定審査会」に見直しの誤認を申し立て、大手生保に元の契約内容に戻すことを認めさせていたことが二十八日分かった。同審査会を利用して、転換そのものを取り消す事例は極めて珍しい。

 転換をめぐっては、十分な説明があったか生保会社と水掛け論になる例が多い。会社員も転換後の契約内容を示す説明書を受け取って変更しており「軽く乗ったのはうかつだった」と話している。

 それでも、生保業界でつくり、仲裁や和解提示を行う裁定審査会を有効に使い、証拠を示すことで取り消しにこぎつけており、契約者にとって解決の道が広がることになりそうだ。

 会社員によると、当初は死亡保険金三千五百万円の定期付き終身保険契約を第一生命と結んでいた。月二万円の保険料が、二〇〇二年に五十七歳で四万円超にアップする内容だった。保険料が上がる前の〇一年初めに、同社の地元営業職員の訪問を受け、介護などの特約が付く新商品を勧められ契約を転換した。

 しかし会社員が今年夏に自身の保険契約を見直すと、死亡保障はほぼ同額だが、保険料が当初の月三万円から十年後には八万円になるなど不利な条件に気が付いた。予定利率(契約者に約束した利回り)も5・5%から2・15%に下げられており、終身部分五百万円は約百万円に大幅に削られていた。

 会社員はまず「不利な条件変更をきちんと説明してもらっていない」と生保協会の相談窓口を通じて抗議。同社は当初、会社員の取り消し要求を拒んだ。

 だが会社員は泣き寝入りしなかった。前の契約では保障が切れるのに保険料だけ上がるかのような、誤解を招く保障見直し図の表現を指摘するなど具体的な書類をつくり、裁定審査会に申し立てた。

 第一生命側は審査会で取り上げられたのを機に対応を一転させ「主張は一部理解できる」と取り消しに応じる姿勢に変わったという。

 同社は「個別案件についてはコメントできないが、契約者には通常から必要な説明をしている」と話している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031229/mng_____sya_____011.shtml