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2003年12月28日(日) 00時00分

ネット上″口座屋″暗躍/県警捜査朝日新聞・


  インターネット上に氾濫(はん・らん)する銀行などの口座の売買情報が、様々な犯罪の温床となっている。大分県警と大分地検が、オレオレ詐欺の振込先口座の開設にかかわったとされる4人を全国で初めて詐欺罪で逮捕、起訴。その捜査から、「口座屋」の実態が少しずつ明るみに出てきた。

  インターネット上では、「口座買います」と書かれたサイトが容易に見つかる。今回のオレオレ詐欺事件で使われた口座も、ネット上で売買されていたらしい。

  県警や地検によると、8月末、大分市の銀行窓口に、4人のうちの1人の男(25)が口座開設を申請。銀行は身分証明書で本人確認をした後、通帳とキャッシュカードを交付した。男は5日間で5口座を開設。通帳などを暴力団組員(30)=詐欺容疑で指名手配中=に手渡したとされる。

  ほかの3人も共謀し、計十数口座分の通帳、カード、暗証番号、印鑑が同組員の手に渡ったとみられる。4人は「組員に話を持ちかけられ、小遣い稼ぎのためにやった」と供述しているという。

  組員はこの口座を手に入れると、早速インターネット掲示板に「口座を売る」と書き込んだ。

  返信したのが埼玉県の会社員(45)=盗品等譲り受け容疑で逮捕=だった。会社員は1口座1万〜2万円で購入、暴力団員には1口座数千円のマージンが渡ったという。

  口座の一部は、会社員がさらに3〜4万円で転売。9月に関東のお年寄り数人が被害にあったオレオレ詐欺の振込先に使われた。口座を利用したオレオレ詐欺犯はまだ分かっていない。

  現在、口座売買を禁じる法律はない。全国銀行協会(東京)によると、各銀行の預金規定では禁じられ、発覚すれば銀行が解約できる。だが、今回被害にあった銀行は「全口座の利用状況を調べるなど無理」と嘆く。

  同協会の調査では、昨年4月〜今年7月にオレオレ詐欺やネット利用料架空請求などの振込先になった口座は、全国135行で2269件。その多くが身元を隠したい詐欺犯が売買や借名開設で入手したと、警察庁ではみている。

  オレオレ詐欺関連の口座名義人摘発の多くはこれまで、偽名を使って口座を開設するなどの違法行為があった場合に限られていた。

  今回、県警や地検は、4人が口座販売の意図を隠して銀行を欺いたとして詐欺罪を適用。「通帳などを銀行の財物とみなし、詐取したとする立件方法は技巧的」と批判的にみる向きもあるが、「口座売買がオレオレ詐欺を助長している」として、警察庁も同様の摘発を進める方針だ。


(12/28)

http://mytown.asahi.com/oita/news02.asp?kiji=3781