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2003年12月28日(日) 00時00分

優先株に議決権? 東京新聞

 NHKラジオ第二放送の英語教育番組で、模範会話の核心になる経済用語の意味を取り違えたまま収録、放送する珍事があった。

 この「あってはならないミス」(NHK広報局)があったのは、今月半ばに放送された「ビジネス英会話」。会社間の出資交渉をテーマにした会話で、議決権のない「優先株」と議決権のある「普通株」を講師が反対に取り違えて台本を制作、そのまま読み合わせて収録し、事後点検もくぐり抜けた。

 誤りが特定の個所の単純な言い間違いであれば、混乱は小さかった。それが、この模範会話では、出資受け入れ側の会社の経営権について「優先株を持っている会社によって維持される」といった正反対の“解説”まで展開したため、番組全体が理解不能になってしまった。

 NHKがミスに気づいたのは放送のわずか数時間前。番組を収録し直す余裕はなく、誤りを訂正しておわびする補足を番組中にさし挟むのが精いっぱい。意味が通じない会話はそのまま放送するしかなかったという。

 しかも、訂正は放送に先立って発売されたテキストやCDには間に合っていない。受講者が放送を聞いていなければ、用語の意味を反対に理解した恐れがある。NHKは今後、テキストにも訂正を入れる方針だが、既に一月号は印刷済みで、訂正は来月発売の二月号になる見込みだ。

 用語を取り違えた講義で迷惑を受けた受講者は、推計約十万人。かえって「common stock(普通株)」「preferred shares(優先株)」といった用語が印象に残ればいいのだが。

 (今里義和)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ronsetu/20031228/col_____ronsetu_000.shtml