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2003年12月26日(金) 00時00分

「米国牛・禁輸半年超」予想で豚肉早くも急騰1キロあたり100円以上、農家は買いだめ走るZAKZAK


牛肉の品薄感から高騰する豚肉=25日午後6時、東京・上野のスーパー 米国・ワシントン州でBSE(牛海綿脳症、狂牛病)感染牛が見つかった問題で、早くも価格の安い一部の牛肉に加え、代替需要で豚肉価格が急騰し始めた。年末年始は牛肉需要が急増する時期だが、米国向けのオーストラリア産やニュージーランド産の牛肉が東アジアに振り向けられるとの予測があり、『牛肉危機』は回避できそう。ただ、米国牛の輸入再開は半年以上との見通しも出ており、BSE禍は価格、供給の両面から家庭の台所を直撃しそうだ。

 【英国で正式確認】

 米農務省は現地時間の25日、BSE感染の疑いのある牛に関して、英国の研究所に検査を依頼した結果、農務省の判断と一致する結果が出たとし、この牛のBSE感染を正式に確認した。

 【大幅上昇】

 東京都中央卸売市場・食肉市場によると、牛肉の代替需要が見込まれる豚肉の加重平均価格も25日、さっそく大幅に上がった。一部の等級では取引のあった23日との比較で、1キロ当たりで106円高い569円に達した。

 牛肉価格は全般的に下落傾向だが、輸入牛肉と競合するメス乳用種の一部の等級は、1キロ当たりの平均価格が545円となり、前日比で129円も上昇した。去勢した乳用種も100円以上値上がりした。

 【地方にも波及】

 地方の食肉市場で行われた競りでも一斉上昇。子牛を中心に、農家は値上がりを見越して買いだめに走り始めている。

 牛肉の消費が落ち込めば当然、豚、鶏肉に需要が移るため、市場関係者は「2年前のBSE騒動の際も豚肉の価格が上昇したので、動きを見守りたい」という。

 農水省でも「便乗値上げの監視を強化する」と話している。


米国初のBSE感染牛が確認されたとされる農場(AP) 【品薄は回避?】

 牛肉の需給や価格面の懸念に対し、農水省は25日、豪州、ニュージーランドの対米輸出60万トンが日本、韓国など東アジア向けに振り向けられるとの見通しを示した。

 米国は牛肉輸入国でもあり、両国の米国向け輸出計60万トンは日本の輸入量53万トンよりも多い。

 日本などの米国牛の輸入停止で、米国内市場は逆に供給過剰になるため、米国が輸入を縮小した量だけ、豪州などから東アジアに輸出余力が生まれるという。

 【危険部位以外は安全】

 米農務省はBSE感染牛でも、異常プリオンが蓄積しやすい脳や脊髄(せきずい)、目玉などの危険部位を取り除けば、「肉を食べても安全」との見解を示している。

 ところが、同省が今年2月に行ったBSEの調査では、機械を使って解体した牛肉の約3割に、異常プリオンの蓄積しやすい脊髄などの組織が混入していたことが判明している。

 機械の解体は「先進的食肉回収(AMR)」といわれ、高圧で骨から肉をそぎ落とすシステム。低コストで大量に解体できることから、米国で1990年代から大手業者が導入している。

 そこで、解体時に脳や脊髄などの飛沫(ひまつ)が食肉に付着する恐れがある。

 これらを踏まえ、農水省幹部は「全頭検査以外にどういう保証ができるのかは、相手方が立証する話」として、輸入再開には内閣府食品安全委員会や専門家が評価できる安全性の「担保」が必要だとしている。

 米側が日本側が要求している全頭検査を実施する可能性は低いため、「輸入再開には半年以上かかる」(農水省幹部)見通しだ。

ZAKZAK 2003/12/26

http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_12/1t2003122601.html