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2003年12月26日(金) 11時32分

慈恵医大病院手術ミス、院長が事実と異なる説明認める読売新聞

 東京慈恵会医科大付属青戸病院(東京都葛飾区)の腹腔(ふっくう)鏡下手術ミスで男性患者(当時60歳)が昨年12月に死亡した事件で、慈恵医大は26日、学内の事故調査委員会の調査結果を公表し、技術が未熟な医師たちが同手術を行ったことが大量出血を招き、患者の死亡の原因となったことを認めた。

 また手術後、当時の院長らが患者の家族に対し、事実と異なる説明を行っていたことも明らかにした。

 これに伴い、同大は、業務上過失致死罪に問われて公判中の元同病院泌尿器科医師3人のうち、斑目旬(38)、長谷川太郎(34)両被告を懲戒解雇、前田重孝被告(32)を出勤停止10日間の処分とした。また、同科診療部長(52)(当時)も懲戒解雇とし、同大の理事長らは給与の一部を返納することを決めた。

 港区の同大本部で開かれた記者会見には、栗原敏理事長や臼井信男・同病院長らが出席。手術ミスを認め、「ご遺族や国民の皆様に深くおわび申し上げます」と深々と頭を下げた。

 公表された調査結果によると、腹腔鏡下手術を経験不足の3医師だけで行うことは、学内の倫理委員会の承認は得ていなかったが、診療部長が最終的に認めていた。栗原理事長は「診療部長が当日不在だったのは重大な問題。指導医を手術に立ちあわせるべきだった」と述べ、診療部長の責任が大きいとした。

 また手術後、家族側から再三説明を求められても、当時の院長らが事実と異なる説明を繰り返したといい、栗原理事長は「大きな不信感を抱かれても仕方がなかった」として、同病院側の組織的な責任も認めた。

 起訴された3人のうち、前田被告だけを出勤停止処分としたのは「手術を自ら立案したわけでなく、責任が軽いと判断したため」という。

 斑目、長谷川両被告は25日に東京地裁で開かれた初公判で起訴事実を認め、前田被告は無罪を主張。診療部長は書類送検されたが、起訴猶予となっている。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031226-00000304-yom-soci