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2003年12月26日(金) 01時21分

<BSE>「危険部位除けば安全」に米消費者連盟が反発毎日新聞

 【ワシントン和田浩明】米国でBSE(牛海綿状脳症)感染の疑いがある牛が見つかった問題に関連し、米農務省は24日、BSE感染牛でも、病原体が蓄積しやすい脳や脊髄(せきずい)などの危険部位を取り除けば、肉を食べても「安全」とする見解を明らかにした。感染牛の食肉部分は流通させてかまわないとの方針を示したとみられる。これに対し、米国消費者連盟(285団体、会員約5000万人)は同日、「公衆衛生上の脅威への農務省の対応は、十分とは言えない」と反発。感染が疑われる牛の肉を食用にしないよう強く要望した。

 同省動植物検査局のデヘイブン首席獣医官は同日の電話会見で「感染した動物の肉であっても、危険部位が取り除かれていれば、人間が消費しても安全だ」と述べた。ベネマン農務長官も、感染を疑われる乳牛の肉が食用に処理されていたことに関し「科学的には、処理された肉が感染していたり、健康上問題だということはないはず」と述べた。

 この政府見解に従えば、BSE感染牛の食肉を回収する必要はなく、実際、米国に感染牛の食肉の流通を禁止する法的枠組みはない。今回、業者が処理肉を自主的に回収したのは「念には念を入れてのことだ」と説明している。

 歩けないなどBSE感染が疑われる牛の食用を禁止する条項を下院で提案した民主党のアッカーマン議員は、AP通信に、食用を禁止しなければ「米国民の安全が業界の利益の犠牲になる」と語った。

 同省の推定では、米国内で年間約13万頭の牛が、病気やけがなどの理由で処分されている。

   ◇  ◇

 日本では、BSE感染が分かると、その牛は焼却処分され、食肉は市場には出回らない仕組みになっている。

 小野寺節・東京大農学生命科学研究科教授によると、感染牛の肉を実際に人やほ乳類に食べさせた実験は存在しない。

 仮に肉そのものが安全だとしても、感染牛を解体する際、それらの危険部位によって肉が汚染される可能性はゼロではない。英国では、特定の食肉店の近隣の住民数人が、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症した。解体時に汚染された肉を食べたことが原因と推定されている。【元村有希子】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031226-00000113-mai-int