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2003年12月25日(木) 00時00分

「すきやき」「ローストビーフ」の安全性を検証米国の検査数少なく、安全確認に時間かかるZAKZAK


ビーフジャーキーなどの持ち込みが制限され、不安そうに見つめる旅行者=24日午後3時55分、関西国際空港 “BSE処女国”米国で、ついに確認されたBSE。時あたかも年末年始のごちそうシーズンだが、「すきやき」「ローストビーフ」は食べられるのか。安全性をチェックした。

 従来の研究では、BSEをおこす異常プリオンは脳や眼球、脊髄(せきずい)、回腸など特定の部位のみに存在。これ以外の食肉や牛乳は、国際獣疫事務局(OIE)の基準では安全とされる。

 ただし、解体時に脊髄が飛散し他部位を汚染する危険も。日本では平成13年の発生後、解体前に脊髄を吸引するなどの対策を義務づけてきた。

 ちなみに、異常プリオンはウイルスとは違い、調理の過熱では破壊されない。汚染されれば、煮ても焼いても“食えない”のだ。

 そこで、気になるのがビーフジャーキーを含む牛肉加工品。特にやっかいなのが、レトルト食品やスナック菓子に含まれるビーフエキスだ。

 厚労省は既に、全国の検疫所に調査を指示しているが、多数の加工品からエキスが使われているものを探し、問題部位の使用の有無を製造元に照会しなければならない。今年5月にカナダで感染が確認された際には、150件の中から2件の該当製品を見つけるのに1カ月半もかかった。

 米国の場合、検査体制も問題だ。

 同省などによると、米国では年間1億頭(食肉牛、酪農牛を含む)を飼育するが、検査を受けた牛は昨年で2万頭、今年で2万5000頭のみ。対象牛が、OIEの基準では生後30カ月以上で突然倒れた、などと定められているためだ。

 異常プリオンはある程度年月を経ないと蓄積されないとされ、「若い牛にリスクはない」というのが世界の常識だった。

 ところが、日本の全頭検査がこれを覆した。これまで270万頭のうち9頭の感染が確認されているが、8例目は生後23カ月、9例目は21カ月の若い牛。しかも8例目は従来と異なる「非定型」で、世界でも未発見の新タイプの可能性が指摘された。

 このため専門家からは「日本と比べて米国の検査数はあまりに少なく、全頭検査をすれば感染牛がもっと出てくる可能性は高い」との声も。

 完全な安全確認までには、まだまだ時間がかかりそうだ。

ZAKZAK 2003/12/25

http://www.zakzak.co.jp/society/top/t-2003_12/1t2003122502.html