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2003年12月25日(木) 00時00分

遺族『責任』訴える 埼玉医大医療ミス 二審判決で医師猶予付き禁固刑 東京新聞

 「まだ殺人だと思います」−。川越市の埼玉医大総合医療センターで二〇〇〇年十月、鴻巣市の高校二年古館友理さん=当時(16)=が抗がん剤を過剰に投与されて死亡した事件で、友理さんの父文章さん(50)と母恵美子さん(48)は、罰金刑だった一審判決を破棄し、二人の医師を禁固刑とした高裁判決を受けて、それぞれ胸のうちを語った。

 判決後の記者会見で、文章さんは「医師に対して刑事責任を課すのはいけないという一審判決が覆った」と胸をなで下ろした。さいたま地裁は今年三月の判決で、「医師の刑事責任の追及は、再発防止の手段として副次的なものであるべき。刑事責任の威嚇は医療従事者に対し、委縮効果を生じかねない」などとして、元教授川端五十鈴被告(68)と、元指導医の本間利生被告(37)を罰金刑(求刑禁固二年、執行猶予三年)とした。

 文章さんは「医師を特別扱いする判決で許されない」と疑問に感じ、電子メールなどを通して関係者に訴え続けてきた。それだけに「一審判決の事実誤認が認められた。悪質な医師の起こす医療事故は、責任を課す方向になるだろう」と期待を寄せた。

 母恵美子さんも「まったく経験のない治療で、調べもせず七日間も(抗がん剤を)投与し続けた行為は医師ではない。高裁の判決は娘に報告できる」と一つ一つ言葉をかみしめ、「娘が殺されてしまったことを再認識した。医療の透明性を求める活動に携わることでしか今後は生きていけない」と涙ながらに話した。

  (浅野 英之)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20031225/lcl_____stm_____001.shtml