2003年12月24日(水) 19時03分

［足銀破たん］市民団体、「足銀問題１１０番」開設　意見４０件余　／栃木（毎日新聞）

　◇自治体の出資へ批判目立つ
　足利銀行の破綻（たん）を受け、市民団体「市民オンブズパーソン栃木」（米田軍平、高橋信正両代表）は２３日、「足銀問題１１０番」を開設し、４０件あまりの意見が寄せられた。過去２回行われた県内自治体の増資協力への批判や、株式が実質上紙切れになったことへの怒りなどが目立った。同団体は年明けにも、意見を集約し、福田昭夫知事をはじめ、１２市長あてに公開質問状を提出する。
　相談者の多くが９９年の優先株や０２年の普通株による増資に協力した人たち。県内はもとより、茨城、埼玉、群馬県などからも相談が寄せられた。
　「自治体が出資したことで安心して、中小企業も出資に踏み切った」＝壬生町の会社経営者（６２）＝と指摘する声や、「破綻直前に支店長から（株主責任を問わない）『りそな方式』になると言われた。訴訟も考えたい」＝埼玉県の会社役員（６５）＝と、株主代表訴訟を視野に入れた相談もあった。
　一方、少数ながら「増資協力は『なれ合い』。金融庁の判断は正しい」＝宇都宮市の元会社社長（５４）＝と国の対応に理解を示す意見も寄せられた。足銀行員と名乗る人は「優先株主から多くの苦情が来ているが、何の説明もできない」と苦慮している様子を伝えた。
　米田代表は「自治体が一企業に出資するなんて、本来あってはならない話。その上、出資に協力した多くの人は、自治体の出資で安心感を得て、定期預金感覚で株を購入していたようだ。その点でも自治体の責任は重い」と話している。【川端智子】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031224-00000003-mai-l09