悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月24日(水) 23時11分

日ハム子会社、豚63万頭に未承認ワクチン投与読売新聞

 「日本ハム」(本社・大阪市)の子会社が1995年以降約8年間にわたり、食肉用の豚の病気を予防するため、国の承認を受けていない輸入ワクチンや無許可で製造した自前のワクチンを豚に投与し、市場に流通させていたことが24日、明らかになった。

 日本ハムは同日、記者会見を開き、専務の降格など関係者15人の処分を発表する一方、「豚肉の安全性に問題はない」と強調した。事態を重視した農林水産省は、すでに子会社の立ち入り検査に着手しており、薬事法違反などでの刑事告発も検討している。

 未承認ワクチンの投与などが発覚したのは、日本ハムの100%子会社の「道南薬品」(北海道、現・日本バイオラボ)と「日本スワイン農場」(青森県)。道南薬品は動物用医薬品の仕入れ・販売など、日本スワイン農場は豚の繁殖や肥育などを主な業務としている。

 日本ハムによると、道南薬品は1998年から2002年にかけて、当時、豚に流行していた「豚繁殖・呼吸障害症候群」(PRRS)という病気を予防するため、米国の製薬会社などが販売する未承認のワクチン3種類を業者から購入。これらのワクチンを日本スワイン農場に販売し、計約20か所の農場に使用させた。ワクチンを投与された豚は5年間で計約6万頭に上る。

 こうしたワクチンの販売などには、日本ハムからの出向者が関与していた。

 道南薬品はこのほか、95年から今年にかけて、死亡率の高い「豚胸膜肺炎」などを防ぐため、国の許可を得ず市販のワクチンに手を加えて独自のワクチンを製造、日本スワイン農場に販売した。この自前のワクチンは計約57万頭に投与されたという。

 こうした豚の大半は、すでに市場で食肉として販売されたが、日本ハムは「今回の未承認ワクチンは米国やカナダでは承認され、広く使われている。病気が人間に感染することもなく、安全性には全くが問題がない」と説明。残り約100トンの在庫分についても、「回収せず、販売する」としている。

 この問題を受け、日本ハムは24日付で、現場責任者だった日本スワイン農場役員(当時)を諭旨解雇、監督責任を問われた日本ハム専務を常務に降格するなど計15人を処分。日本バイオラボ(旧道南薬品)を来年1月末で閉鎖する。

 日本ハムグループは昨年、国のBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)対策の国産牛買い上げ事業を巡り、偽装事件が発覚したばかり。今回の問題はこのBSE不祥事を受けて昨年9月に設置された社外相談窓口に、内部関係者から情報が寄せられたため、同社が先月から調査チームを組織し、事実関係を調べていた。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031224-00000014-yom-soci