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2003年12月24日(水) 15時42分

米、全頭検査せずBSE対応に甘さ…体制の見直し必要読売新聞

 米国でBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)の疑いが強い牛が見つかった。農水省によると、米国では昨年1年間に約3570万頭の牛が出荷された。一方、BSE検査が実施されたのは、BSE特有の神経症状を示した牛を中心に2万頭前後だった。

 これは国際獣疫事務局が定めた、BSE未発生国の検査基準を上回るが、カナダで今年初めて感染牛が見つかったこともあり、専門家の多くは、米国の検査体制の充実を急ぐ必要性を指摘していた。米国はカナダから昨年1年間だけで、170万頭の生きた牛を輸入している。

 BSEに感染した牛は2—8年という長い潜伏期間を経て、起立困難などの神経症状が出る。この症状の有無だけで感染牛を見分けるのは困難で、日本では1頭目が出た直後の2001年10月から、食肉の市場出荷前に、すべての牛を調べる「全頭検査」を開始し、感染力の強い脳など「特定危険部位」も除去している。現在は農場で死んだ牛も検査している。欧州でも、一定年齢以上の牛を対象に同様の検査を行っている。

 一方、米国では会計検査院が、危険部位の除去や検査頭数を増やすように勧告したが、農務省はまだ受け入れていなかったという。

 小野寺節・東大教授は「日本同様、米国も危機意識が低かったことが、はっきりと示された。牛肉の輸出大国であるだけに、米国も検査体制の見直しが必要だろう」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20031224ic07.htm