2003年12月24日(水) 12時19分

米国初の狂牛病、経済全体への影響は限定的＝エコノミスト（ロイター）

　［ワシントン　２３日　ロイター］　米国で初めて狂牛病に感染しているとみられる牛が確認されたことの経済への影響について、エコノミストは、短期的には影響するものの、これ以上の症例がなければ限定的にとどまる、との見方を示した。
バンク・ワンのエコノミスト、アンソニー・チャン氏は、「ステーキだけでなくハンバーガー類なども食べるのをためらうことになるだろう」とした上で、この傾向で短期的にはレストランでの売り上げが落ち込む可能性があるが、１頭だけの感染では長期的に影響することはないだろうと指摘した。
ベネマン農務長官がワシントン州での牛１頭に感染の疑いがあると発表したことで、ファストフード企業の株価が時間外取引で下落した。穀物などの商品先物市場の中心地であるシカゴのアナリストは、２４日の取引で牛肉と穀物価格が急落するだろうとみている。
ラサルバンク（シカゴ）の主席エコノミスト、カール・テネンバウム氏は、米国の農業、特に２７０億ドル規模の畜牛業と年間３０億ドル超の規模の牛肉輸出業にとっては打撃となると指摘、「牛肉価格が急激に上昇して、畜牛業者が喜んでいたところだった」と述べた。ただし、米国経済全体に占める農業の割合は一部にすぎないと付け加えた。（ロイター）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031224-00000721-reu-bus_all