悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月24日(水) 15時12分

「牛肉の在庫がなくなる」外食産業など悲鳴読売新聞

 米国でBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)感染が疑われる牛が発見された事態は、国内にも大きな波紋を巻き起こした。輸入停止となった米国産牛肉は、国内消費量の約3割を占めるだけに、消費者には不安が広がり、スーパーや外食産業からは、「年末は消費量が増える時期なのに」「在庫がなくなる」といった悲鳴が上がった。

 牛丼チェーンの吉野家では使う牛肉の99%を、松屋では90%以上を、米国産に頼っている。松屋を経営する松屋フーズでは、24日朝から、米国の食肉業者や商社からの情報収集に追われた。同社の担当者は、「まだ情報が少ない。米国産牛肉がいつまで輸入停止になるのか、見極めてからでないと何とも言えない」と、不安げに話した。

 一方、吉野家ディー・アンド・シーでは、全店舗に電子メールやファクスなどで「牛丼には(危険部位ではない)安全なバラ肉を使っており、安全性には自信を持ってください」という内容を伝えた。

 百貨店の三越では、輸入停止を受け、全国の店舗に、「店頭に生の米国産牛肉があれば撤去するように」という指示を出した。広報担当者は、「米国産の取り扱いはごく少量だと思うが、やはり消費者の不安があるので」と話した。

 一方、大手スーパーのイトーヨーカ堂は、感染が疑われる牛が乳牛で、輸入地域も離れているとして、「商品撤去などの予定はない」としている。

 量販店やレストランに牛肉を卸している日本ハムには、「商品は入るのか」といった問い合わせが同日朝から殺到した。扱っている輸入牛肉の4割強が米国産。広報担当者は、「年末のこの時期は需要が多い上に、今年は輸入牛肉が高値で、すぐに代替の商品を確保できるかわからない」と語った。

 日本マクドナルドは、ハンバーガーにはオーストラリア産だけを使っているというものの、広報担当者は、「また『牛肉は危険』というイメージが独り歩きすると、売れ行きに影響しかねない」と不安げ。ロッテリアも豪州産牛肉を使用しているが、「このあおりで、オーストラリア産がますます品薄になり、値が上がるのでは」と見ている。

 ◆厚労省「あまりに影響が大きい」◆

 検疫業務などを通じて安全面から食品を監視する厚生労働省も、担当の食品安全部職員が早朝から対応に追われた。幹部は「アメリカの牛肉となると、あまりに影響が大きい。大変なことになる」と表情を曇らせてニュースに見入った。

 坂口厚労相は午前10時過ぎから閣議後の会見に臨み、米国産牛肉を当面輸入停止とする措置を表明。記者から「当面、というのはいつごろまでなのか」と問われると、「期間は分からない。(先に輸入停止となった)カナダとも話し合いをしているが、全頭検査の必要性などをめぐって議論が続いている。アメリカを特別扱いするわけにもいかない」と困惑気味だった。

 また「今日はクリスマスイブだが、ローストビーフを食べても大丈夫なのか」と聞かれると、「大丈夫。それは大丈夫です」と何度も繰り返した。

 農水省では、午前9時過ぎから、担当職員が「とりあえず報道で知っただけ」と情報確認に追われ、会見した亀井農相も「公式情報を入手中で、まだ詳細は分かっていない」と慎重なコメントに終始した。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031224-00000104-yom-soci