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2003年12月24日(水) 03時12分

<建国義勇軍>不審物、歯科医の作製か 外務審議官宅など4件毎日新聞

 「建国義勇軍」などを名乗る一連の事件のうち、田中均外務審議官宅に置かれていた不審物について、東京都新宿区の歯科医師で「刀剣友の会」顧問、田中成治容疑者(50)が23日、「自分が作って置いた」と容疑を認める供述を始めた。ハナ信用組合新潟支店、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)福岡県本部、朝銀西信用組合福岡支店にも同じ構造の不審物が置かれており、警視庁公安部など合同捜査本部は4件の不審物すべてを田中容疑者が作ったとの見方を強めている。

 不審物はいずれも魔法瓶と小型ガスバーナーのボンベを組み合わせて作っていた。魔法瓶に開栓したバーナーを入れてガスを充満させ、時限式装置で爆発させる仕組みだった。捜査本部が実験したところ、魔法瓶のふたが完全に閉まっていて酸素が流入しないため、結果的に発火しないことが分かった。

 調べに対し、複数の容疑者が4件の不審物は田中容疑者が作ったと供述しているという。また、同会会長、村上一郎容疑者(54)らの携帯電話の通話記録を調べたところ、田中容疑者は8月の福岡の2事件の直前に福岡県内にいて、村上容疑者と連絡を取り合っていた。捜査本部は田中容疑者が作った不審物を福岡に運んだ疑いが強いとみている。

 田中容疑者は、田中審議官宅以外の3件については、あいまいな供述を繰り返している。

 一方、10月に東京都千代田区の日本教育会館にも不審物が置かれていたが、粘土を使うなど構造が異なっており、捜査本部でさらに調べている。

 田中容疑者は、81年に歯科医院を開業し、そのかたわらレストラン事業に手を出したが失敗し、98年に歯科医院を廃業した。その後は新宿区内の歯科医院に勤めていた。知人の歯科医は「苦労が表に出ている人で、年齢より上に見える。思想性のある人とは思えなかった」と話している。

 このほか、村上容疑者が、昨年10月23日夜に朝鮮総連福井県本部前の花壇に放火したと供述していることが分かった。捜査本部は福井県警と連絡を取り、調べを進める。これまで捜査本部は、昨年11月以降の計23件を一連の事件として把握していた。

 この放火事件は、花壇でタオルのようなものが1枚燃え、近くで油の入ったポリ容器が見つかった。村上容疑者は放火後、自ら一部報道機関に「朝鮮総連に火を付けた。拉致の件での北朝鮮の対応に対し、心ある日本人の怒りからだ」などと電話を掛けたという。「建国義勇軍」などの名は使っていなかった。【石原聖、宮川裕章】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031224-00000071-mai-soci