悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月23日(火) 01時50分

12月23日付・読売社説(2)読売新聞

 [規制改革答申]「経済活性化への障害はなお多い」

 規制改革を通して日本経済を活性化しようとする道に、依然として、多くの障害物が転がっている——。政府の総合規制改革会議が小泉首相に提出した最終答申から受ける印象だ。

 実施中の改革推進三か年計画も、推進母体である総合規制改革会議も、今年度末で期限を迎える。最終答申は、改革会議の三年間の活動の総決算と言うべきものだが、それにふさわしい内容になったとは、言い難い。

 改革会議は、最終年度に大きな成果を残そうと、今年二月に、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の解禁など十二項目を重点事項に掲げた。十月からは、車検制度の抜本見直しなど五項目を加え、関係省庁と調整を重ねた。

 だが、これら十七項目のうち、関係省庁が同意し、最終答申に「具体的施策」として盛り込めたのは、医薬品の一部の一般小売店での販売、幼稚園・保育所の総合施設整備の二〇〇五年度繰り上げ実施など、九項目に過ぎない。

 残りの八項目は、関係省庁や利害関係をもつ団体などの抵抗で検討が先送りされた。高度先端医療を患者が受けやすくするため早期実施の要望が強い混合診療の解禁を始め、株式会社による病院経営や農地取得の全国規模の解禁などだ。

 政府が公的規制の緩和・撤廃に本格的に取り組んだのは、一九九五年春からである。第一次の規制緩和推進計画が閣議決定され、政府の行政改革委員会の下に設けた規制緩和小委員会が推進母体となったのが始まりだ。

 首相直属の諮問機関となった総合規制改革会議が第三次の推進計画を進める現在まで八年間に、成果が出ているものもある。例えば、銀行による投資信託・保険商品の窓口販売解禁、大型小売店の出店規制の全面緩和、国内航空運賃の認可制から事前届け出制への移行などだ。

 しかし、最終答申が示すように取り組むべき課題は、なお山積している。

 政府は、最終答申を受けて、新たな推進計画を策定し、規制改革を加速していく必要がある。そのカギを握るのは、総合規制改革会議の後継機関だ。

 自民党は先の衆院選の政権公約で、内閣に「規制改革・民営化等推進委員会」を設置すると明記した。政府の経済財政諮問会議も、規制改革にとどまらず郵政民営化など「官業」の全般的な改革に取り組む委員会の設置を検討している。

 現在の内閣府組織令に基づく諮問機関から、国家行政組織法八条に基づく勧告権をもつ機関に機能強化する考え方もある。現在の改革会議の期限切れまであと三か月余。早急に結論を出したい。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20031222ig91.htm