悪のニュース記事

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2003年12月22日(月) 01時18分

12月22日付・編集手帳読売新聞

 中国が経済発展を最優先する改革・開放の道を歩み始めたのは、一九七八年の暮れ、ちょうど四半世紀になる。毛沢東を批判する初めての壁新聞が、北京市内に張り出されたのも同じころだ◆当時の本紙北京特派員は、子供の運動靴を買うために出かけた市内で黒山の人だかりを見つけ、これをいち早く報じることができたという◆毛沢東は無謬(むびゅう)の神の座から転落し、時には誤りも犯す人間となった。「造反有理」の毛沢東思想に取って代わったのが、金こそ命の金銭第一主義。文化大革命中の大学入試で白紙答案を出し、知識偏重教育批判の英雄となった張鉄生さん(53)も、今ではお金持ちの会社経営者◆表現と伝達の重要な手段だった壁新聞は姿を消し、現在はインターネットの時代。当局が警戒する民主活動家や気功集団「法輪功」も、インターネットで連絡を取り合っている。中国のネット人口はすでに七千八百万人を超え、日本を追い抜き、世界第二位に躍進したという◆高層ビルの谷間に立って、広い道路を埋める車の流れを目にしながら、紺の人民服と自転車の街だった二十五年前の北京を想像することは、容易ではない◆だが、内陸部の農村を訪れると、貧困の中に取り残された別世界が、目に飛び込んでくる。十三億人の国の近代化という「長征」は、長く困難な道だ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20031221ig15.htm