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2003年12月21日(日) 00時00分

劣化早くトラブル急増 ポリウレタン繊維 県消費生活センター 東京新聞

 衣服や靴、バッグなど身の回りの物に近年多用されている合成樹脂繊維「ポリウレタン」をめぐるトラブルが急増している。県消費生活センターには「丁寧に着ていたのに表面がはがれた」「そでやすそがほつれてきた」などの苦情が寄せられているという。 

  (吉田 美穂)

 ポリウレタン繊維はゴムのように伸縮性があり、着心地がしなやかでコストも低いのが特徴。ほかの繊維と混ぜた状態で、アンダーウエアからコートやブルゾンのコーティングまで、若者向け衣料などを中心に幅広く用いられている。

 ところが、熱や水分や紫外線に弱く劣化が早いという“落とし穴”も。たとえ未使用でも耐用年数は製造から二年程度。主にコーティングがぼろぼろとはがれてきたり、ひびが入ったり、硬化したりするなどの変化が見られる。過去には、ポリウレタンを使用したスキー靴が滑走中に突然破損するなどの事故も起き、業界団体が「材質の変化で破損が起こりうる」などの表示を義務づけられる経緯もあった。

 県クリーニング業生活衛生同業組合も「取り扱う賠償問題の中でもポリウレタンに関連する事故が目立つ」と頭を悩ませている。寿命が短いことを客に説明しても納得されず、衣服製造メーカーに訴えても取り合ってもらえず「この件に関しては、クリーニング業者が泣くケースが圧倒的」と嘆く。同組合でも技術講習会などで注意を喚起しているが「繊維業界と製造メーカー、クリーニング業界が三位一体となって統一見解を持つべき問題」ととらえている。

 また、輸入衣料の中には日本の表示ルールに反し、米国の一般名称の「スパンデックス」と表示されたままの物もある。消費生活センターでは「ポリウレタンの性質をよく理解し、表示をしっかり確認した上で購入してほしい」と呼び掛けている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20031221/lcl_____tcg_____000.shtml