悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月20日(土) 01時59分

アイスター HPに謝罪文掲載 「宿泊拒否当然」を訂正西日本新聞

 ハンセン病元患者の宿泊を拒否した熊本県南小国町のホテルを経営する化粧品会社「アイスター」(東京)は十九日、自社のホームページ(HP)に、これまでの「宿泊拒否は当然だった」とする見解について、「間違いだった」「訂正し謝罪する」とする江口忠雄社長名での文書を掲載した。

■「責任転嫁変わらず」 入所者

 HPでは、江口社長自ら事件後に全国のハンセン病療養所を訪問した経緯を説明。その上で「回復者の現状をうかがったり、写真展や勉強会に参加するにつけ、(元患者が)どのように人権を侵害され、迫害され、また非人道的な扱いを強いられてきたのかを実感するに至った」「当時の判断は間違いであったことを訂正し、謝罪とさせていただきます」と記述している。

 一方で、ホテルとしての認識不足の原因に関連し「国ないし県による十分な啓発活動がなされているとは言いがたい」としている。

 国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」入所者自治会の太田明会長(60)は「宿泊拒否を謝罪した点は評価する。だが、相変わらず責任転嫁の姿勢もあり不満は解消できない」と述べ、ホテルが自ら人権侵害を犯した点についてまったく触れていない点を批判した。

■唐突な「見解」またも 不信の溝は深く

 ハンセン病元患者への宿泊拒否事件で、「宿泊拒否は間違いだった」とこれまでの姿勢を一転したアイスターに対し、元患者側は「真の謝罪になっていない」と大きな不満をみせた。事件発覚から一カ月以上がたち、元患者側としても早期に和解したいのが本音だが、この間の不誠実で不可解なホテル側の姿勢に、不信感を払しょくするまでには至っていない。

 「自ら犯した人権侵害に触れていない。本当に謝罪しているのか見えない」。HPの内容について「菊池恵楓園」入所者自治会の太田明会長(60)はアイスターの謝罪姿勢を疑問視し、「これでは受け入れられない」と厳しい表情で語った。

 また、HPに「国や県の啓蒙(もう)活動がなされているとは言いがたい状況は現実問題として存在する」などと記述していることで、別の元患者からは「責任転嫁の姿勢は相変わらずだ」との声も聞かれた。熊本県健康づくり推進課も「一読しただけでは真意が読めない」と困惑した。

 これまで江口忠雄社長は、全国のハンセン病療養所を訪問したものの、いずれも事前の約束なしだった上、謝罪内容も不十分だったことから、かえって不信感を増幅。その一方で、HPでは「宿泊拒否は当然の判断だった」との見解を主張してきた。

 元患者団体は週明けに、和解を前提にしてアイスターとの共同記者会見を開く方向で検討しているが、今回、またも唐突に新たな見解が示されたことで「逆に先のことが見えにくくなった」との見方も出ている。(西日本新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031220-00000019-nnp-kyu