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2003年12月20日(土) 22時27分

協議会がホテル側と和解 ハンセン病元患者宿泊拒否問題朝日新聞

 熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病元患者の宿泊を拒否した問題で、全国13の国立療養所の入所者でつくる全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協、東京都東村山市)の神美知宏事務局長らが20日、厚生労働省で会見し、ホテルを経営する「アイスター」の江口忠雄社長の謝罪を受け入れる方針を表明した。表面化してから約1カ月にわたって対立が続いた問題は、関係者の間で和解が成立した。

 全療協側は午後4時から会見。アイスター側が全療協からの抗議文に対し、「宿泊拒否に至った判断は間違いだった」などと記した回答書を提出したことについて、神事務局長は「抗議した内容をおおむね取り入れており、この件は一応落着したと判断している」と述べた。

 一方で、同社が「宿泊拒否は当然の判断」と主張し、1カ月近く謝罪しなかったことで「入所者らに忘れがたい痛みを思い出させ、苦悩させた」と批判。「(国の患者隔離政策を違憲・違法と認めた01年の)熊本地裁の判決以降、潮が引くように市民の関心が薄らいでいる」と、行政の啓発活動の不十分さも指摘した。

 また、熊本県などから告発を受けた熊本地検が旅館業法違反の疑いで捜査していることについては、「旅館業法に基づいて経営する最低限のモラルが守られているかということで、謝罪受け入れと法的手続きは別問題」と強調した。

 これに先立ち、江口社長は同日午前、国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(熊本県合志町)を訪れ、元患者らに全面的に謝罪。入所者自治会の幹部らも受け入れた。

■宿泊拒否問題の経緯

9月17日 熊本県がホテルに宿泊予約

11月7日 菊池恵楓園入所者らが宿泊予定と県がホテルに連絡

  15日 ホテル側が「社の方針」で宿泊拒否。県の説得に応ぜず

  18日 潮谷義子県知事が記者会見で宿泊拒否の事実を公表

  20日 ホテル側の「謝罪」を入所者側が受け入れず

  21日 県と熊本地方法務局がホテル側を刑事告発

12月1日 ホテルの経営会社「アイスター」社長が入所者側に謝罪しつつ「宿泊拒否は当然の判断」と主張

   2日 地元の旅館組合がホテルの除名を決める

   8日 ハンセン病訴訟の原告団体がアイスター本社に抗議

  15日 全療協がアイスター本社に抗議

  19日 アイスター社長が全療協で謝罪し、ホームページで「拒否は当然」の見解を撤回

  20日 アイスター社長が恵楓園で謝罪し「和解」

(12/20 21:32)

http://www.asahi.com/national/update/1220/010.html