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2003年12月19日(金) 03時06分

<病院事故>酸素供給パイプの工事ミスで患者死亡 宮崎毎日新聞

 宮崎市田吉の国立療養所宮崎東病院(隈本健司院長)で今月3日午後、呼吸器疾患の患者が入院している病棟の酸素供給パイプに窒素が混入し70代の男性患者が死亡していたことが分かった。同病院では事故当時、配管の改修工事などをしており、宮崎県警は作業ミスとみて、工事を請け負った会社から事情を聴くなど業務上過失致死容疑で捜査を始めた。

 病院によると、工事は施設全体に及ぶ大規模なもので、今年4月に着工。配管や機械設備の工事は東京の建設設備会社が受注し、各病棟をつなぐパイプの改修工事などをしていた。パイプは液化酸素タンクから枝分かれしながら、各病棟に酸素を供給している。

 事故の直接の原因になったとみられる工事は、下請けの宮崎市内の建設関連会社が担当していた。配管検査のため男性の病棟とは別の病棟のパイプに窒素を流したところ、本来は閉めておくはずの病棟と病棟をつなぐパイプのバルブを閉め忘れたため、他の病棟に窒素が流れ込んだという。病院の設備に窒素タンクはなく、業者が持ち込んだとみられる。

 死亡した男性は慢性呼吸不全で入院中。血中酸素濃度を計測するモニターを付けているため病院側が酸素濃度の低下に気づき、備え付けボンベの酸素を吸引させるなどの処置を取ったが死亡したという。この病棟には呼吸器疾患の患者約50人が入院しており、男性以外にもボンベによる酸素吸入など処置が必要になった患者が複数いたという。

 男性が死亡した直後、病院は宮崎南署に事故発生を連絡。県警の調べで、パイプのバルブが閉まっていなかったことなどが判明。このため、県警は元請け、下請け両社から事情を聴くなどしている。元請けの設備会社は「警察から事情を聴かれているが、原因が特定されていない現段階ではコメントできない」としている。

 同病院の菊池逸郎事務部長は「警察に原因を究明してもらい、このような事故が起きないように業者に対する指導を徹底したい」と話している。

 同病院は52年設立。昨年7月に同県日南市の国立療養所日南病院と統合し、現在の入院定床は250床。神経内科、呼吸器科など6科あり、気管支ぜんそくや慢性呼吸不全、肺結核、筋ジストロフィーの患者を中心に受け入れている。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031219-00000143-mai-soci