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2003年12月19日(金) 00時00分

自治医大病院 肝臓検査で意識不明に 東京新聞

 南河内町の自治医科大付属病院(布施勝生院長)は十八日、十月中旬に同病院で肝臓の検査を受けた茨城県総和町の五十歳代の男性が、検査薬へのアレルギー反応を起こし、意識不明の重体になっていることを明らかにした。病院側は、検査薬へのアレルギー反応の発症例がまれにあることを男性に告知していなかったほか、アレルギー反応に備えた注射後の経過観察を怠っていた。事故後は、同種検査に際しては危険性を告知して同意書を書いてもらうことにしたほか、注射後も看護師がその場を離れず経過観察する措置をとっている。 (吉田 通夫)

 同病院によると、男性は十月十七日、同病院の消化器外科で、肝臓の切除手術に耐えられるだけの肝機能があるかどうかを調べるインドシアニングリーン(ICG)検査のため、医師が検査薬「ジアグノグリーン」約三〇ミリグラムを注射した。検査では約十五分後に採血する手続きになっており、医師はいったん退席。検査室には男性一人が残された。

 しかし、注射から約五分後、看護師が検査室に入ったところ、男性が「気分が悪い」と苦しんでいるのを見つけた。男性は約十分後、呼吸困難を起こして意識不明になり、病院側は蘇生(そせい)措置に取り組んだという。

 ジアグノグリーンは、一九六七年に販売が始まった。これまでに全国で約二百五十万人が注射を受け、五人がアレルギーを発症して死亡した、との統計があるという。病院側は「発症確率は低くほかの病院でも告知などはしていないと聞いている。過失とまでは言えず、医療ミスとは考えていない」と話している。

 男性の家族は、男性が注射を受けた後に誰も経過を見ていなかったことについて「誰かが見ていれば、異変に気づいてもっと早く対応できたかもしれない」と残念がっているという。しかし病院側によると、家族からも厚労省からも、病院に対して医療ミスとの指摘は出ていないという。

 病院側は、家族から十七日夜に「再発防止の観点から、報道機関と警察に報告してほしい」と要望を受け、今回の事実を公表した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tcg/20031219/lcl_____tcg_____000.shtml