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2003年12月17日(水) 08時01分

問題漏洩のトヨタ、販売会社におわび行脚 再編に影響朝日新聞

 社員による整備士試験の問題漏洩(ろうえい)事件で、トヨタ自動車は奥田碩会長や張富士夫社長が報酬を一部返上するほか、役員の減俸など創業以来の社内処分で幕引きを急いでいる。しかし、トヨタの要請で3千人以上が受験した全国の販売会社の動揺は大きい。トヨタは国際ブランド「レクサス」店の日本導入など販売網再編の計画が目白押しで、販売会社の信頼回復に躍起だ。

 事件発覚直後の3日午後、国土交通省での謝罪会見を終えた国内営業担当の岩月一詞副社長は、その足でトヨタ自動車販売店協会の小栗七生理事長(名古屋トヨペット社長)のもとに出向いた。「本当に申し訳ない」。土下座しようとする岩月副社長に小栗理事長は「そこまでしなくとも」と止めた。

 トヨタの営業幹部は連日、説明と謝罪に全国の300近い販売会社を回っている。17日には、受験を辞退した販売会社員全員に張社長名で謝罪の手紙も送る。

 トヨタの販売会社の大半は独立したオーナー会社。本社との資本関係が強い日産自動車とは対照的で「有力会社には、こちらが下手に出るほど」(トヨタ幹部)。このため、事件の後始末で、トヨタ上層部の神経の使いようも並大抵ではない。

 有力販社の愛知トヨタ自動車では今回52人が辞退した。同社幹部は「『親』(トヨタ)の不祥事に子供(販売店)はどう対応したらいいのか分からない」と困惑顔。

 東京トヨペットも「うちの社員には漏洩された問題との認識はなかった。長い間、勉強してきた社員もいたはず」と悔しがる。

 トヨタグループには独自の社内検定がある。関東のある販売会社長は「国家試験は問題が古く、役に立たない。今後、受験をやめても何の問題はない」と、国家資格にこだわったトヨタの方針に疑問を呈する。

 トヨタは04年にビスタ店とネッツ店を統合し、05年にはレクサス店を新設する販売再編を準備中。レクサス店を販売会社に割り振る調整を進めている。協力を求められる販売会社からは「トヨタは業績が好調なだけに、おごりやたかぶりが一部に感じられた。気を引き締めてほしい」という苦言も聞かれる。

(12/17 08:00)

http://www.asahi.com/business/update/1217/059.html