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2003年12月16日(火) 03時01分

「前会長指示で組長に1千万円渡す」武富士元部長が証言朝日新聞

 大手消費者金融「武富士」で暴力団や右翼団体との交渉担当だった元渉外部長が、前会長武井保雄容疑者(73)=電気通信事業法違反の罪で起訴=の名を挙げて「会長の指示で、山口組系暴力団組長に入院の見舞金として1000万円を渡した」と、関係者に証言していることがわかった。この授受について武井前会長の署名入りで「1000万円を持たせてやったことは間違いない」との記述がある文書も見つかった。一連の捜査で警視庁が入手した同社の資料の中に、武富士とこの暴力団との関係を示すものが複数あるといい、同庁は関係の解明を進める。

 元渉外部長は96年8月に退職後、株式の店頭公開を実現させた報酬として武富士に4億円の支払いを求めて提訴し、勝訴した。判決は今年9月に確定した。

 この裁判での元部長の陳述によると、96年6月11日に武井前会長から、都内の病院に入院していた山口組系暴力団組長に見舞金を持っていくよう指示され、1000万円を渡したという。背景について元部長は「店頭公開に関するトラブル処理をめぐって組長との関係がこじれ、修復する必要に迫られていた」という趣旨の説明をしているという。

 一方、同社元課長の中川一博容疑者(42)=電気通信事業法違反容疑で再逮捕=が武富士から持ち出したとされる内部文書の中に、武井前会長の署名入りで「組長の病気見舞いとして、1000万円を入院先の病院に持たせてやったことは間違いありません」との文書があった。表題は「供述書」で、弁護士4人の署名もあった。弁護士は朝日新聞の取材に「守秘義務があるので話せない」「記憶にない」「この件については取材を受けない」などと話している。

 関係者や供述書によると、武井前会長は90年代前半にこの組長と知り合った。その後、株式の店頭公開前に武富士が右翼団体から街頭宣伝などの妨害を受けた際、組長から「何でもやってやるから、おれに仕事をさせて欲しい」と直接言われたが、断ったとされる。

 見舞金については、元部長から「組長が入院しているので見舞いを持っていきたい。1本持っていきたい」と持ちかけられ、「100万円か」と問うと「1000万円」と言われたと説明。「個人として支出した。見舞金として多すぎるが、自分の退院直後で判断力が鈍っていた」などとも供述書にはある。武井前会長は96年5月から6月10日まで入院していたという。

 武富士広報部は「その文書を入手しておらず、現時点ではコメントできない」としている。

(12/16 03:00)

http://www.asahi.com/national/update/1216/008.html