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2003年12月16日(火) 00時00分

ガソリンスタンド「過当競争」に悲鳴朝日新聞・


  全国で閉鎖が続くガソリンスタンド。県内でも休業する店が相次いでいる。仕入れ価格の増大などで採算を割り込む一方で、価格競争が追い打ちをかけ、業界からは「過当競争」に悲鳴が上がっている。

  「今年1月に比べて、仕入れ価格は1リットル当たり5円上がった。採算を無視した異業種や、セルフ方式の参入もあり、これ以上の値上げは厳しい。マージン(差益)は減少し、それでも安売りする店はつぶれている」

  宮崎市内のある給油所マネジャー(45)はこう打ち明ける。

  県石油商業組合によると、94年度に906カ所あった県内の給油所は年々減少し、02年度末には785カ所に。九州全体では1142カ所減り、全国では9127カ所が姿を消した。

  県生活環境課によると、県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭現金価格は、03年4月の108・9円(消費税込み)以降、107・3〜109・0円で推移し「イラク戦争が早く終わったこともあり、安定している」と同課。

  しかし、同組合の井手末国・専務理事は「戦争で原油価格は1リットル当たり4〜5円上がったが、その分を給油所などの末端が被っているのが実態」と話す。

  96年に「特定石油製品輸入暫定措置法」が廃止され、98年には消防法が改正されてセルフサービス方式が登場するなど、ガソリンスタンドを取り巻く状況は一変した。

  石油精製会社は、コスト削減のため大量に精製し給油所に販売。給油所は「量」を売りさばこうと競争が激化した。セルフ式に客を奪われないよう同じ価格まで引き下げる店もあり、採算を割り込む給油所が続出。そこへイラク戦争が追い打ちをかけた格好だ。

  閉鎖の背景について、井手専務理事は「1社で20〜30も店を抱える大手が赤字店を整理している。だが、1店舗しかない中小企業は赤字かトントンで苦しい経営を強いられている」と話す。

  全国組織にあたる全国石油商業組合連合会(東京)は、一部の給油所が不当廉売を行っているとして公正取引委員会に指導を求めているが、是正は難しい状況という。

  県石油商業組合は「独禁法は組合による価格指導を禁じており、対策を話し合うこと自体が難しい」。各給油所には採算ベースを守るよう指導しているが「利益率の低い山間部の給油所が閉鎖に追い込まれる可能性もある」と心配する。(12/16)

http://mytown.asahi.com/miyazaki/news02.asp?kiji=2926