2003年12月16日(火) 11時39分

住基ネット「攻撃されやすい」が侵入は不能…長野（読売新聞）

　住民基本台帳ネットワークシステム（住基ネット）の安全性検証のため、県内３町村で侵入実験を行っていた長野県の田中康夫知事は１６日、住基ネットの危険性の根拠の１つとしていた「インターネットからの侵入テストは成功しなかった」とする実験結果を発表した。

　ただし、住基ネットに接続する自治体側のコンピューターは「攻撃されやすい状態」としている。

　県によると、先月末に阿智村で極秘に行った２度目の実験で、個人情報を住基ネットに送信するコミュニケーションサーバー（ＣＳ）端末を実験用のパソコンから操作できる状態にすることに成功したとしている。また、既存の自治体のコンピューターとＣＳをつなぐファイアウオール（不正侵入の防壁）を通過する方法も発見できたという。

　しかし、同県の審議会が、住基ネットの危険性の根拠としていたインターネットからの侵入はできなかった。

　この実験を巡っては、２度目の実験の際、同村のＣＳと全国の住基ネットとの間に設置されたファイアウオール（不正侵入の防壁）が異常を検知し、警報を発する事態があったが、これはＣＳと住基ネットをつなぐファイアウオールの「プラグを抜き差し」した結果だったことも明らかにした。総務省は不正アクセス禁止法に抵触するか検討している。（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031216-00000002-yom-soci