2003年12月15日(月) 20時30分

宿泊拒否：ハンセン病全療協とホテル側の話し合い物別れ（毎日新聞）

　熊本の「黒川アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」によるハンセン病元患者の宿泊拒否問題で、全国ハンセン病療養所入所者協議会（全療協、約３７００人）の神（こう）美知宏事務局長らが１５日、ホテルを経営する「アイスター」（東京都港区）を訪れ、宿泊拒否を当然とするホテル側の見解の撤回と謝罪を求めた。江口忠雄社長は見解を変えず、話し合いは物別れに終わった。

　神事務局長は、江口社長がすでに全国１３の国立ハンセン病療養所のうち７カ所を入所者への約束もなく訪れ、「心労をかけたことをおわびする」と釈明していることを取り上げ、「熊本県に責任を転嫁し、宿泊拒否は当然との見解を変えない以上、謝罪ではない」と指摘して見解を改めるよう求めた。

　しかし、江口社長は「熊本地検の捜査と社内での人権教育の結果をみて、回答したい」と繰り返すばかり。神事務局長は「見せかけのおわび行脚はやめてほしい」と語った。【江刺正嘉】

［毎日新聞１２月１５日］ ( 2003-12-15-20:30 )

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20031216k0000m040083000c.html