2003年12月15日(月) 19時13分

ノルマと罵倒で退職と、武富士元社員が慰謝料求め提訴（読売新聞）

　消費者金融最大手「武富士」（東京）の３０歳代の元男性社員（大阪市）が「無理なノルマを課されたうえ、上司から日常的に罵倒されて退職に追い込まれた」などとして、同社に慰謝料や未払いの残業代など計約４１５０万円の支払いを求める訴訟を１５日、大阪地裁に起こした。

　元社員の弁護団は提訴後、「この野郎、ぼけてんのか」などと激しい口調で迫る上司の電話を録音したテープを公表した。

　訴状によると、元社員は大阪府内のブロック長だった今年夏ごろ、管轄内の支店がノルマを達成できないと、電話盗聴事件で逮捕された元会長・武井保雄容疑者（７３）の二男の営業統轄本部長ら本社幹部から毎日のように電話があり、「がけから落ちてくれるのか」などとののしられた。

　また、土日の出勤や１日４、５時間の残業を強いられたが、２年間で残業代など計約１８００万円が支給されなかった。その後、元社員は通勤に約２時間かかる他県の支店長に降格され、１０月に退職した。

　「武富士被害対策大阪弁護団」によると、録音テープは１４本で、うち５本分を書き起こし、書面で証拠提出したという。元同社社員が慰謝料や未払い賃金を求めた訴訟は、６地裁で３７人が起こしている。

　武富士広報部の話「訴状を見ていないので、コメントできない」（読売新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031215-00000412-yom-soci